039. 噛み締める幸せの味
さて! 途中で離れていましたが!
出来ましたジャーキー!
[ 保存食 ]薄味のラットジャーキー【レア度:C 品質:D】
噛みごたえのあるラット肉のジャーキー。やや雑味が残っているが、お腹に貯まる。
[ 保存食 ]薄味のラットジャーキー【レア度:C 品質:C】
噛みごたえのあるラット肉のジャーキー。お腹に貯まる。
品質Dが塩抜きしなかったやつ。Cが塩抜きしたやつ。
かじってみれば、味の濃さは変わらなかった。塩抜きしたのに……?
まあ、そこらへんはリアルと物理現象が違うってことなんだろう。ゲームゲーム。
とりあえず塩抜きはしたほうが良さそう。
分類も保存食ってなってるね。これでお姉さんへの報告はできそう。
あと二瓶、しっかり作ってから品質が一番いいやつを渡すことにしよう。
というわけで、針が進んで黄色に入ってたので、一瓶分を塩抜きして乾燥して燻製器もどきにイン。
燻製用のチップも変えたら品質上がるのかね? バフもついてくれたら嬉しいけど、まずはスキルレベルを上げないとですね。
ジャーキーが完成したことで上がったスキルレベルは9。結構ガツッと上がったのは、レシピの難易度が高かったのか、レア度が高かったのか。まあ経験値効率がいいのは良いことだ。
「シェフレラ、エドベル、食べる?」
せっかくなので二人にも味見してもらおうと声をかける。そんな二人を飛び越えていの一番にリモが来た。これ焼いてないけど!? いや温燻だから焼きの延長では……なんて懊悩を笑い飛ばすかのように、お気に召さなかったのかジャーキーをチェックして直ぐに頭の上に飛び乗った。おまえ。
「あ、私はみなさんが揃ってからで……」
「いいのか! もらうもらう!!」
「あ、ちょっ、エド!」
「お試しに作ったやつだしね。ほら二人共どうぞ」
渡しながら自分も味見の残りを口に放り込む。もっと品質も味も上げられる気がするんだよね。あと二つの比較をしてそこから改良するか。でも改良するにしても材料がなあ。ま、目的は【調理(基礎)】を二次スキルへ持っていくことだから、今はまだいいか。ぽんぽこやりたいこと増えるよな。忘れそう。
遠慮していたシェフレラも、渡されたことで口に運んでくれている。
このゲームで初めて人に料理を食べさせたことになるのか。フレンドもシェフレラが初めてだったし、縁があるってこういうことかな。
「優しい味で、美味しい……」
「噛んだら味が出てくるー! おもしれー!」
「それは食事全般では?」
エドベルの感想に思わず突っ込みつつ、調理の続きをば。
茹で肉がいい感じになってたので、鍋のようなフライパンのような、便宜上平鍋でいいか? とにかく、人肌の温度まで落ちていた湯から引き上げる。
前菜的に摘める野菜が足りない。肉と一緒に焼く野菜はあるけど……焼き野菜のマリネ風も追加しよ。出汁が欲しい!!
適当に切った野菜類を鍋で焼きつつ、水分をきった茹で肉に包丁をば。
包丁……っく、切りにくい。乱雑に切るよりきれいに薄く切りたいんだよ!
「……ウィンドカッター」
大道芸さながら中空に放り投げた茹で肉へ風の刃を。
目論見通りきれいに薄く切れたのが調理終了判定となったのか、大皿に盛られて落ちてきた。
危なげなく受け止めて、よし、スキルレベルも12になったな。
パチパチと拍手が聞こえて振り向けば、二人がこちらへ向けて手を打っていた。
「……良い子は真似しちゃいけないよ?」
「おれ風魔法無いから!」
「わ、わたしも。あ、お皿受け取りますね。こっちに置けばいいですか?」
そういうことではない、と二の句を次ぐ前にシェフレラが手を伸ばしてくる。
いやまあ、ゲーム内だし真似されてもいいんだけど。便利だよ、ウィンドカッター。
ありがたくお皿は受け取ってもらって、テーブル代わりの岩の上に配膳。この岩もウィンドカッターで均してるから、なんも言えねーや。
気を取り直して、次はハンバーグですね!
これはね。合い挽きにしようと思います。
二種類の肉があるのかって? それはもうおまけで頂いた蛇肉を使いますよ!
[ 食材 ]ヴァイパーの肉【レア度:B 品質:C】
白身のきめ細やかな肉。脂分は少ないが旨味が強い。
◆調理情報◆
部位によっては毒があるため注意。ただし毒線の周囲が一番旨味が強いため、熟練の調理人は毒の部位を好んで使っていた。
調理情報が不穏。
これは【調理(知識)】がいい仕事をしてくれている……のか?
なんか過去形になってるの気になるんですけど、失われた技術とかじゃないですよね。教えてエステラーゼ!
毒鑑定を取るべきなのか? むしろあるのか? 毒消しとか用意する? いやそれもあるのか?
ええい、お姉さんがおまけでくれたからにはきっと可食部位!!
でもちょっと怖いから、ラット肉100%のハンバークと二種類作りましょうね……。
ロシアンルーレットとして皆に振る舞おう。大丈夫、渡り人死なない! エドベルはラット肉100%をきっちり別口で用意しよう。
見た目はきれいな白が強い薄ピンクのお肉。ラットの肉は赤みの強いピンクだから、調理中に混同することがないのが救い。
でも焼いたらたぶん解んなくなるよね。鑑定で何肉使ってるか解るといいんだけど望みは薄そう。
小さめに作ってデザート代わりに出すか。肉がデザートってどうなんだって思わなくもないけど、うーむ。あ、レモンの砂糖漬け作っとこ。そういやレモン調理してリモに食わせたこと無いなー。
レモン漬けたり薄切り肉をさらに叩いてミンチにしたり、一応包丁を洗浄してから覚悟を決めて蛇肉をミンチにしたりしてる間に、第二弾の燻製も終わった。
[ 保存食 ]ラットジャーキー【レア度:C 品質:C】
噛みごたえのあるラット肉のジャーキー。お腹に貯まる。
薄味が消えた。味見してみるとさっきよりも好みの味。うーん幸せ。ここにお酒があったらもっと幸せになれるんだけどな!
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