240722

【2024年7月22日】



 明日からの夏休みを前に返却された中間試験は見事に全教科満点……を達成する事は出来なかったが、どの教科も9割以上の好成績だった。


「天才集団じゃないっすか!」


 俺たち5人の試験結果を見た響子は驚嘆きょうたんしていた。


「そうは言うが、響子だって学年順位で言えば上の方だろう?」


「ありがたいことにそれはそうっすけど、5人とも学年トップ20入りはヤバいっす」


「勉強会の成果というだけの事よ。響子だってそれは理解しているのでしょう?」


「それは確かに……去年とは順位の位が一桁変わったっすけど」


 俺たちを天才集団だとか言っていた響子ではあったが、その響子も俺たちや五線譜の先輩方との勉強会の甲斐あって学年順位はトップ50以内には入っていたらしかった。


「響子ちゃん、頑張れば結果は必ず現れるんだよ!」


「そう……っすよね」


 せっかく学年順位が大幅に上がったのだからもう少し喜べば良いのに響子の顔は曇っているように見えた。


 そんな響子の手にはスマホが握られていて、その画面に『五線譜』という文字が見えた。

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