【2024年7月17日】

「律儀だねぇ」

　試験勉強中、ふとグミを食べたい気分に陥（おちい）り近くのコンビニまで買いに行くため、部屋着から外出着へ着替えていると母さんがスルメ片手にそう告げてきた。

「いや、流石に部屋着では行けないだろう」

「そういう所、お父さんそっくり」

「そうなんだ」

　俺はあまり父さんの人となりを知らないのでその言葉に嬉しさと恥ずかしさを感じてしまった。

「ついでに買ってくるものある？」

「ん〜？　冷たいもの何か適当に？」

　何とは言わなかったが、母さんはもうほとんど飲み切ったのであろう缶ビールを俺に見せつけるようにして左右に振っていた。

　法律上未成年が酒類を購入する事は禁じられているのでアイスでも買って来ようと心に決めて家を出た。

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