240704

【2024年7月4日】



 今年度に入って最初の試験が2週間後に迫っていることまあってか、ここ数日熱心に試験勉強に勤しむ者たちの姿をよく見かけるようになった。


「楯サン、楯サン、楯サ〜ン!」


「そんなに何度も呼ばれなくても聞こえているよ。どうした?」


 朝日亭の営業終了後、そらましこと大空真白おおそらましろはタックルでも仕掛けてくるのかと思ってしまう勢いで声をかけてきた。


「華菜チャンから楯サンは2年生の中でも勉強が得意だって千花サンが言っていたって聞きました!」


「……まあ、そう。だな」


「ワタシの家庭教師をお願い出来ないでしょうか!」


 頭を下げてそう告げたそらましの立ち姿はとても綺麗だった。


「頭なんて下げなくてもそれくらいいくらだって教えてあげるよ」


 もちろん俺の出来る範囲内ではあるが。


「えっと、家庭教師料はおいくらほど……」


「いや、いらないから。とりあえず……放課後時間が合う時にでも学食に来てくれ。基本的にそこで勉強会しているから」


 まだ初めて2日くらいしか経っていないので試験前に自然と終了してしまっている可能性はあるのだが……。

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