240703

【2024年7月3日】



「少し聞きたい……というか、確認したい事があるのだけれど」


 授業が終わると千花がノートを片手に俺のもとへやって来た。


「どの部分だ?」


 試験前とはいえわざわざ俺に質問をしに来るなんて珍しいと思いながらそう返答をすると俺の前に伸びていた千花の腕が突如止まった。


「どうした?」


「……別に。ただ、楯は特に疑問視する事なく教えてくれるのだと思ったものだから」


「……そうか」


 心の中で疑問視していたとは口が裂けても言えなかった。

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