240702
【2024年7月2日】
「うへっ!?」
人が飛ぶという現象を見るのは初めてだった。
「藍っ!」
強風によって藍がの身体がまるで紙のように軽々と揺らめいた。
突然の事に俺は咄嗟に反応する事が出来なかったが、普段ならこの時間は睡魔によりぼんやりとしているはずの千花が危険を察知したのか十数年という付き合いの中で初めて見る素早い動きで飛ばされる藍の手首を掴んで自身の身体へ引き寄せた。
が、その刹那。
「千花っ!」
千花もまた強風によって呆気なくバランスを崩し風の流れに乗って揺らいだ。
「楯……」
数秒前の千花を真似て咄嗟に伸ばした俺の手は……お手本通り千花の手首を掴めていた。
幸運にも先程のような強風が再び吹くことはなく、俺は飛ばされかけた2人をグッと引き寄せて次は飛んでしまわぬようにギュッと身を寄せ合って登校した。
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