240630

【2024年6月30日】



「えっ……」


 何かをするというわけではなくて、ただなんとなくいつもの5人……数週間前までは5002ごせんふと呼ばれていた5人でファミレスで他愛も無さすぎる話に興じていると、スマホを見つめていたかげっちがそう呟いた。


「どうした?」


「いや、大したことじゃないけど……明日から7月なんだな」


「6月が終わるのだから当たり前でしょう」


「それはそうですけど……」


「うちはわかるよ!」


「ボクもわかるな。あっという間に夏になっちゃったよね」


「夏と言えば、夏休み明けには進路希望を決めなければならなくなるけれど……」


 千花がそう告げると俺たちはそれぞれ異なる方向を見つめた。


「休み中にある程度は決めておきなさいよ」


 呆れたようにそう告げた千花だったが、そんな千花もまだ進路を決めていない事は俺だけが知っていた。

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