240624
【2024年6月24日】
「眠い」
「いつもの事だろう」
大きな
「学校までおぶって」
「それは……無理だな」
そう言って俺は窓の外を見つめた。
「千花は軽いけど、この雨の中千花を背負いつつ傘までささなければならないのは無理だ」
「最悪……」
そう呟くと千花は
「ふわああ……」
寝ている時だけは普段のクールビューティーっぷりが消え失せてしまう千花を愛らしく見つめていると俺まで眠気が襲って来た。
『おはようございます! 6月24日月曜日の……』
あまり耳馴染みのないお笑い芸人の挨拶が聞こえ意識が覚醒すると、点いたままになっていたテレビの左上に表示されている時刻は9:03を示していた。
「ち、ちはっ、千花! 起きろ! 完璧なまでに遅刻だ!」
「……は?」
流石に一瞬で目が覚めたのだろう。ぱっちりと目を見開いた千花はテレビの時刻を確認し、信じる事ができなかったのか、ポケットにしまっていたスマホを取り出して時刻を確認した。
「うわあ、藍からめちゃくちゃ電話きているな」
「メッセージもとてつもないほどの量来ているのだけれど」
「って、冷静に見ている暇ないだろう!」
「……ねえ、今から行っても確実に1時間目には間に合わないと思うの。それなら少し落ち着いて、2時間目に間に合うように行けば良いのではないかしら?」
「……まあ、それはありだな」
明才高校では授業開始15分以上の遅刻は欠席とみなされる。今の時間を考えると教室に着く頃には1時間目の授業から15分以内の到着は難しそうだった。
「……コーヒーでも飲んでから行くとするか」
「そうね」
コーヒーを飲んでゆっくりとした朝の時間を堪能した俺たちはいつの間にか止んでいた雨によって濡れた通学路をゆっくりと歩き、学校でしっかりと藍による雷を落とされた。
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