240622

【2024年6月22日】



 バイトを終えて帰宅すると、もう夜の9時をとうに過ぎているというのに母さんが物置の中のものを外へ出して何かを探していた。


「ただいま」


「楯〜 やっと帰ってきた」


「こんな時間に何しているんだ?」


「探しもの」


「それは見ればわかるけど……探し物は何?」


 そういえばそのような歌詞の曲を聴いた事があったけれど、なんというタイトルだっただろうかと別にすぐに答えが出なくても良いような事を思い浮かべながら探し物の具体的な情報を探った。


「あれ、あれなんだけど……なんだっけ。バーベキューの」


「バーベキューコンロのこと?」


「そう、それ! 使っていないのがあったはずだけど……」


「それなら玄関の方の戸棚じゃなかった?」


 数年前に藍家族と千花家族と一緒にバーベキューをしようという話になって購入したが、雨天によって結局開催される事なく、どうせすぐに使うだろうと戸棚に仕舞い忘れ去られていた気がした。


「あぁ……どこかで見たと思ったけどそこだったか……」


 忘れていたのを誤魔化すかのようにそう告げた母さんは俺をじいっと見つめていた」


「……わかったよ。片付けるのを手伝えばいいのだろう?」


 母さんが物置の中のものを乱雑に出していたせいで片付け終わるまでに約2時間を要した。

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