240619

【2024年6月19日】



 いつものように楯にヘアセットをしてもらっていると、スマートフォンに1件のメッセージが送られてきた。


『千花ちゃんさん! ジャージ貸してください』


 これもまたいつものように朝が極端に弱い寝ぼけまなこな状態の私の頭では恐らく学校でも、バイトでも後輩にあたる華菜かなからのメッセージである事は理解出来たけれどその内容までは全く理解が出来なかった。


「ねえ、適当に返しておいて」


 藍はともかく楯は華菜とそれなりに親しくはあったはずなので、スマートフォンを頭上まで持ち上げて対応を委ねた。


「ジャージなんて華菜も持っているはずだろ……」


「その辺も含めて返信よろしく」


「ったく、お前は……」


 呆れるようにそう告げつつも楯はスマートフォンを受け取って華菜へ返信を送ってくれたようだったので、私は登校時間までもう一眠りする事にした。

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