240618

【2024年6月18日】



「お世話になりました」


 これで最後という訳では無いけれど、5002ごせんふとしての活動は一昨日のステージが最初で最後の予定だったので、俺たちはスタジオをかしてくれたお礼として命さんに菓子折りを手渡した。


「彩香の頼み事を引き受けただけで、楯くんたちのお世話なんてした覚えは無いけど、くれるって言うなら遠慮なく貰うとしようかな」


 受け取るや否や包装を剥がし、中身を確認した命さんは3次元ポケットからいつの間に用意していたのか『5002様よりクッキーの差し入れをいただきました。ありがとうございます』と書かれたポップを取り出して人通りの多いスタジオ入口に置いた。


「彩香のことだ、突発的に5002を活動させるつもりだろうし復習がてら頻繁に遊びにおいで。鍵は伊吹ちゃんに預けておくからさ」


「お言葉に甘えてそうさせてもらいますね」


 目的は演奏ではなくオレンジさんのコーヒーになるだろうけれど。

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