240531

【2024年5月31日】



「生徒会長と伊吹先輩ってどういった関係なんっすかね?」


 前の座席の主である弟暮敷でぼしきさんが席を外しているのを良い事にさらりとその席に着いた響子は不意にそのような質問を投げかけてきた。


「どういったと言われてもな」


 多摩琉たまる会長は俺にとってドラムの師匠と呼べる存在ではあるが、交友関係に関してはさっぱりだった。


「というか、伊吹先輩に直接聞くのが早いだろ」


「いや、聞きにくいっすよ。なんというか色々と」


「今みたいなノリで聞けば良いだろう。『伊吹先輩と生徒会長って仲良いんっすか?』という感じで」


「なぁんか、そう簡単じゃあ無さそうなんすよね……」


 あの2人話している姿を見たこと自体一度、二度あったかどうかというくらいでしかないので、部長と元部員くらいの関係だと思うのだが、響子は納得しきれていない様子だった。

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