240529

【2024年5月29日】



「藍ちゃ〜ん」


「きょうちゃんどったの?」


 日曜日にCrowクロウで行われるライブに参加するため昼休みも練習を行っていたきょうちゃんこと響子ちゃん(きょうちゃんと言う呼び方は今日初めてしました)は、教室に戻ってくるなりうちに駆け寄ってきました。


「礼堂先生から聞いたっすよ! 伊吹先輩と音先輩のいつものやり取りに生徒会が巻き込まれたらしいっすね」


「えへへ、そうみたい。まぁ、うちが引き受けたから生徒会のメンバーにはなあんにも負担はかからないけど」


「藍ちゃんが生徒会で本当に良かったっす。礼堂先生的には元軽音部員の光会長がいるから頼んだみたいっすけど」


 きょうちゃんの言葉を聞いて、うちはふとある事を思い出しました。


「そう言えば、ピカルん会長ってばうちが引き受けなかった、自分が行くつもりだったっぽいよ。やっぱり元々いた部活って気になっちゃうのかな?」


「えっ? その話って伊吹先輩知っているっすか?」


「まだ確定前だったから知らないと思うけど、どうして?」


「いや、知らないなら良いんす。なんと言うか、あの2人はうちが説明するのはちょ〜っと難しい仲っていうかな感じなんす」


「へぇ、そうなんだ」


 この時は何も考えずにそう返したうちでしたが、よくよく考えてみるとこの時のきょうちゃんの表情はいつもとちょっとだけ違う気がしました。

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