240521

【2024年5月21日】



「……朝か」


 旅先だからか、普段起きるよりもだいぶ早く……旅のしおりに記載された起床時間よりも1時間半ほど早い目が覚めてしまった俺は同室のかげっちたちが起きる前に着替えを済ませ、昨晩はしゃいだままの状態になってしまっている部屋を軽く片付けた。


「……えっ!?」


 ある程度の身支度を終え、普段はそのようなことはないのだが、修学旅行だからなのか妙に充電の減りが早くホテルに着いた段階で一度充電を行わなければならないレベルだったスマートフォンを確認すると、さいちゃんさんから無数の着信と、5時ぴったりに送られてきた一件のメールが届いていた。


「怖っ」


 藍や千花でもここまでの着信をしてきた事はないのになんて思いながら恐る恐るメールを開くと……


『修学旅行ログイン2日目


ジュンじゅんの今日のラッキーカラーは


ラッキーアイテムは


という事で〜 ログインボーナスはお部屋の前に用意してあるから受け取ってね〜』


 という若干迷惑メールじみた文面だった。


「って、部屋の外?」


 冗談にしか思えない内容ではあるが、さいちゃんさんならやりかねない。というかやる人なので、俺は部屋の扉を開けて廊下を確認してみると、案の定、俺宛の小包が置かれていた。


「怖すぎるだろ」


 修学旅行先で自分宛の荷物が届いているのもそうなのだが、巡回しているはずの先生たちの目に留まらなかったのかという疑問と知られていたのだとしたらという恐ろしさを感じた。


「……いや、ありがたいけども」


 ログインボーナスというなの小包を開いてみると、中にはさいちゃんさん曰く俺のラッキーアイテムらしい携帯充電器が入っていた。


 色はラッキーカラーと言って良いのかさいちゃんさんカラー……無表情なら美形なさいちゃんさんの顔が印刷されていた。


「使いにくい事この上ないな……」


 無表情の美形モードならギリギリ使えたかもしれないが、完全にふざけているようにしか思えないアホ面だった。

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