240501
【2024年5月1日】
「お手伝いします!」
朝日亭がゴールデンウィークで絶えず混雑している中で客席からそう声を上げたのはそらましこと、
「良いのか、そらまし」
「ワタシの料理が提供されるまではまだまだ時間がかかりそうなんですよね? こんなに大変そうなのに見て見ぬ振りなんて出来ないので」
「さすが、ヒーローガール」
「そ、その呼び方は恥ずかしいのでやめて下さい」
呼び方に対しての恥じらいはあるものの、(おそらく人生で初めての)接客に対しての恥じらいというものは感じていない様子のそらましはテキパキとオーダー取りをこなし、配膳を初めてとは思えないほど正確に行っていた。
「先輩? どうかしました?」
「いいや。手際が良いと思っただけだ」
「先輩の見様見真似でしたけど接客のプロがそう言うのであれば良かったです」
「プロじゃないよ。俺は」
働いているとまだまだだと感じることは多々あるし、俺よりも七海さんや海さん、ちー姉さんの方がプロ……プロフェッショナルだと思う。だからなのだろう、俺はそらましの屈託のない笑顔を真っ直ぐ見つめることが出来なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます