240424

【2024年4月24日】



「正直、どこまで突っ込んで良いのか分からないんで嫌だったらその時点で言って欲しいんすけど……」


 生徒会室で作業をしていると、向かいの席に座っている央戸凛おうどりんくんが突然そう言いだしました。


「楯くんの事をどう思ってます?」


 ジュンジュンの名前が出てきたので、ふと顔を上げて凛くんの方を見て見ると、凛くんはじっとうちの方を見つめて話していました。


「えっ、うちに話しかけていたの?」


「いや、逆に他誰が居ます? 今日パイセンたち出払っているのに」


「電話しているのかと思って」


「まぁ、それはあり寄りのあり得るだけど、言うてもオレって女の子と室内でふたりきりの中で他の人と電話するほど非常識な人間じゃないからね。これマジで」


「そうでしたっけ? えっと、それで、ジュンジュンの事をどう思っているかだっけ?」


 どう思っているかなんて今更聞かれても答えに困ってしまいました。


「言い方悪いけど、楯くんって要は二股な訳じゃん? あ~ちゃんもちっはなさんも綺麗に平等には愛せないんじゃないかな? って不意に思った次第な訳で……」


「いつも疑問に思うけど、うちらの関係に口を出してくる人って絶対にジュンジュンだけを悪く言いがちなんだよね。でも、うちもちーちゃんもみんな二股だから。でも、でもでもでもうちらはみんなお互いの事を大切に思っているから」


「あぁ、ゴメン。オレってば怒らせちゃった系ですよね~?」


「怒ってなんていないですよ。うちもちーちゃんもこんな質問は何度もされてきたし。ということで、うちは仕事終わったのでお先に失礼します。戸締りと議事録の提出よろしくお願いします」


 怒ってはいないなんて言って、イライラとしちゃっていたと感じてしまいながらうちは生徒会室を出て行きました。


 うちが生徒会室を出た直後、


「ぬあぁぁぁ、失敗したぁぁぁ」


 という凛くんの叫び声が聞こえてきました。

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