240419

【2024年4月19日】



 昼食を食べてすぐだからなのか、急激な眠気に襲われて何度も大あくびをしながらも俺は生徒会の補助要員として5,6時間目の授業時間を使って行われる部活動紹介の準備を行なった。


「とりあえず、準備はこんな所ですかね?」


「お疲れ様でした。始まるまでゆっくりしていてください」


 他の誰でも無い多摩琉たまる会長にそう言われてしまったので断れるはずもなく、俺はお言葉に甘えて恐らく作業の邪魔にはならないであろう体育館の壁側に移動して千花が嫌がるくらい冷え切った床に腰を下ろした。


「ジュンジュン〜」


「おう、お疲れさん。藍の方も準備終わったのか?」


「ジュンジュンのおかげですぐ終わった。ありがと」


「必要ならいつでも呼び出してくれ」


「そんな事言っていたら、こき使われちゃうよ」


 それはそれで困ってしまうのだが、藍と多摩琉会長にお願いをされてしまったら断ることは出来ない気がした。


「あっ!」


「どうした? トラブルか?」


「ううん。ちーちゃんたちそろそろ体育館こっち来るって連絡入っただけ」


「なんだよ、紛らわしいなあ。俺はこの後仕事無いけど、藍は生徒会の方戻るのか?」


「そうだけど、生徒が集まるまでは休憩で良いって言われたからもうちょっとだけジュンジュンと一緒にいたいな」


 身長差を利用した上目遣いで可愛らしくそう告げた藍はほんの数センチ俺に近づいて来た。

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