【2024年4月18日】

「楯ってさ、修学旅行行かないの？」

　スマートフォンで来週のシフトを確認していた海さんは突然そのような事を言い出した。

「行きますよ。どうしてそんなこと聞くんです？」

「いや、今月末までいつも通りバイトのシフトは行っているからさ……」

「？　海さん、修学旅行来月です」

「えっ！？　嘘？　俺とか、七海（ななみ）の時は4月の後半だったのに……。いつから？」

「いつからって言われても……ですけど、少なくとも去年からだったと思いますよ」

　去年の今頃は2年生（現3年生）との関わりが無かったので正確な日程までは覚えていないが、確かゴールデンウィーク明けに当時の2年生が居なかった時期があったような気がした。

「そうか、今は5月になっていたのか」

「20日から24日までの4泊5日で名古屋というか愛知です」

「場所まで変わったのか」

「海さんの時ってどこでした？」

「俺の時も七海の時も大阪」

「大阪ですか。良いですね」

　何がどうという事は無いのだけれど、なあんとなく関西は俺にとって良い思い出の場所なので良い印象のある土地だった。

「ん……？　って事は、来月は1週間くらい楯が出てこない週があるって事だよな？」

「まあ、そうなりますね」

「それまでに新しいバイト探さないと店回すのきつそうだな」

「確かにそうですよね……」

　俺も海さんも頭を抱えたが、妙案を思いつく事は無かった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい