240415

【2024年4月15日】



「珍しい組み合わせね」


 いつも座っている学食の座席に到着した私は、先に席へ着いていた三景くんと響子が1台のスマートフォンを2人で見つめている姿を見てついそう発言してしまった。


「そっすか? 三景っちとは同じベース担当仲間なんで割と喋るっすよ」


「そそ。今もベース談義中」


「そうだったの、邪魔をして悪かったわね。気にせず続けて」


 自分で言った事なので気にするつもりはないけれど、2人は私の言葉に甘えて再びベース談義に花を咲かせた。


「で……色々探したんすけど、5弦だと中々10切るの無いんすよ」


「そりゃ、そうよ。店長さんも言ってたけど楽器も何もかも入れるたび値上がりでしょ?」


「っすね。でもなぁ、欲しいっすよ5弦」


「僕的には5弦はペグの位置美しくないんだよな」


「これみたいに4:1よんいちになっているやつっすか? アタシは気にならないっすけど……」


「嘘だ。絶対3:2さんにの方が良いって」


「それは流石に好みっすよ。あと、金銭面考えたらあんまそこ考えてられないっす」


「それはある」


 ベースに関してはギターに共通する部分以外はあまり話について行けないところがあるけれど、意見をぶつけ合いながらも楽しそうに会話をする2人の姿を見ているのはとても愉快だった。

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