第8話 厳しい現実
この集めたペットボトルを販売しようと思いますが、どこで販売しましょうか?
無難な場所は市場でしょうか。一旦行ってみましょうか。
市場で勝手にものを売っていいか分からなかった為、近くの店の人に聞いてみることにした。
野菜を売っている優しそうな女性に話しかけてみた。
「すみません、ここで物を売ってもいいのでしょうか?」
「物を売りたいんですか?残念ですが、それは難しいかも知れません。」
「ダメなんでしょうか?」
「ダメというか、ここら辺は商業ギルドが管理をしているからギルドに登録して土地を借りて販売の許可を取らないといけないんですよ。ギルドに登録するのにもお金がかかりますし、土地を借りるのにもお金がかかりますね。私は雇われの身なので金額は分かりませんが。」
「そうなんですね、ギルドですか。」
つまり販売するためには家賃のようにお金が必要だということですね。
「そうなんですよね。お姉さんは何を売りたいんですか?」
「これを売ろうと考えています。」
「何ですかこれ?」
「これは中に水を入れることが出来て、さらに蓋をすることが可能なペットボトルというものです。匂いが水に移ったりすることがないので旅人たちに販売しようと考えていました。」
「え、この透明なものに水をためれるの?」
「はい、そうです!」
「凄い!、水を入れてみてもいい?」
「ええ、もちろんどうぞ!」
女性は宝物を見るような目でペットボトルに水が入っていくのを見ていた。
「凄い!!中の水が反射して宝石見たい。」
ウェンディは嬉しそうな女性の顔を見て、幸せな気持になった。
「宝石ですか、それは素敵な表現ですね。もし宜しければそれ一つ差し上げますよ。」
「ええ、いいですか?!こんな高そうなもの。どこで作っているんですか?」
高そう?ガラクタの山から集めてきたとは言えないですね。
「ええ、構いません。色々教えていただいたので!どこで作っているかは秘密です。」
「そうですよね。秘密ですね。」
「はい、秘密です。2つほど聞いてもいいですか?」
「もちろん!」
「町の外なら、販売をしてもいいのでしょうか?あとこれいくらで売れますかね?」
「町の外なら、問題ないです。ギルドの管理しているのはこの市場なので。いくらで売れるかは難しいですね。凄く高級品に見えますが、高すぎると売れないかも知れませんね。この町はそんなに裕福な人いないので。」
高すぎると売れないのはその通りですね。今回の目標は5万Gですし、あの道具屋で水筒が600Gで売っていたので500Gで販売してみましょう。半分ぐらい売れれば目標に届きますし。
「なるほど、色々教えてくれありがとうございます。町から出る門の近くで売ってみようと思います!」
「どういたしまして、頑張ってください。」
町の門の外に来た。
旅人がたまに行き来するぐらいで、人が少ないですね。とりあえず道行く旅人に声をかけてみましょう。
大柄な男が馬に乗って町の外に出ようとしている。チャンスです。
「あのー、すみません。」
「何だよ、急いでるんだ。どけてくれ。」
凄い勢いで出て行ってしまった。話も聞いてもらえませんでした。
次に金髪の騎士風な男が町に戻ろうとしていた。
「あの、すみません。」
「綺麗なお姉さん、何ですか?ナンパですか?」
「いえ、違います。私これを売っているのですが、」
「なんだよ、物売りかよ。どけ。」
セールスだと分かった瞬間に態度が変わってすぐに行ってしまった。
その後も声をかけるが、セールスからはみんな逃げるように距離を置くことが分かった。まだ物の説明もしていないのですが、中々うまくいか無いですね。
日が暮れてきた。
ステータス
名前:ウェンディ
所持金:500円
:3000G
持ち物:なし、200個のペットボトル
スキル:ワールドミラー(地球と異世界を移動できる)
現在地:異世界(町はずれ)
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