第3話「事件は現場で起こってるんじゃなかったっけ」
「せっかく新たに登場したケイタを殺しちゃったんですか!?なぜ殺そうと思ったか教えてください。」
「ケイタを殺すという表現を使いましたが、そのような描写は含まれておりませんよ。ケイタが自殺してしまうという展開はちょっと唐突すぎましたか?」
「(なんだか面倒くさい言い回しで曖昧にしようとしてるなぁ…)」
「さっきのは無しにして、もう一度書いてみますね。」
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タカシはナオミに恋をしていたが、彼女がもう一人の男・ケイタに好意を持っていることを知ってしまった。
ケイタはナオミとは別の大学に通っている友人だった。
タカシは自分とケイタを比べてしまい、自信を失っていた。
そんなある日、ケイタがタカシに会いに来た。
彼はナオミについて、自分が彼女に恋をしていることを謝罪し、タカシにナオミを任せるつもりでいた。
ケイタはタカシに「彼女が幸せならそれでいい」と言って去った。
その後、ナオミはタカシに告白し、二人は付き合うことになった。
しかし、ケイタとの出会いがナオミにとって特別なものであったこともあり、彼女は時折ケイタに思いを馳せてしまうことがあった。
タカシはそれを知っていたが、ナオミが自分を選んでくれたことを信じ、彼女を支え続けた。
やがて、ナオミもタカシを愛するようになり、彼女はケイタへの思いを断ち切ることができた。
二人は幸せな日々を過ごし、未来への希望を抱いていた。
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「ありがとうございます。このストーリーを採用にしましょう。続きを書いてほしいのですが一つ要素を追加しようと思います。」
「いいですね!」
「ケイタは実は女ですが、コレまでのストーリーではそれを隠していました。続きのストーリーで発覚させてください。」
「ケイタ、女ですか?分かりました、書いてみます。」
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事件が起こってからしばらくして、ナオミはケイタの身元調査をしていた。
しかし、何を調べてもケイタの情報は出てこない。
さすがに怪しいと思ったナオミは、ケイタの家に訪ねた。
すると、玄関先でケイタがナオミを出迎えた。
「こんにちは、どうしたの?」と声をかけるケイタ。
しかし、ナオミはケイタが女だと知り驚愕する。
「あのさ、ケイタ。君、女でしょ?なんでそんなこと隠してたの?」と問い詰めるナオミ。
ケイタは驚いた表情を浮かべたが、やがて事情を説明した。
「私は転職先での偏見を恐れて、男性として入社したの。でも、こんなことがあると、もう隠していられなくなった。」
ナオミは、ケイタの気持ちを理解した。
女性として働くことに対する偏見は、まだまだ存在するのだ。
「わかったわ。だけど、あなたは自分を偽ってまで会社に入ったんでしょう?自分を偽ることが許されることだと思う?」とナオミは厳しく問い詰めた。
ケイタは、頭を下げて謝罪した。
「すみません、あなたにはウソをついてしまって。でも、私にとって仕事はとても大切なんです。それに、あなたたちに出会ってからは、初めて自分らしくいられるようになりました。」
ナオミは、ケイタの言葉に少し安心した。
だが、彼女が今後も自分を偽ることなく、自分らしく生きていけるように支えていくことを決めた。
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「恋愛だと思ったら事件、起きちゃったの!?!?」
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