夢占

灰月 薫

僕の夢の話





いやぁ、僕あんまり夢は見ないんですよ。


眠りが深いんですよね、きっと。

ぐっすり眠った時とか、すごく癒しを感じるんですよ。


だから、あんまり夢を好んで見たいとかいう願望はないですね。


とはいえ、ちょいちょい___1ヶ月に2、3回かな?

それくらいだったら、夢を見ることもあるんです。


ここで「こんな夢見たよ〜」とか面白い話が出来たら良かったんだけどなぁ。

あいにく、あまり後味の良くない夢ばっかりなもんで。


そうそう、殺されたり追いかけられたり、そんなんばっかです。


そんな夢ばっかりだと、起きた時に「あーあ」って思っちゃいますよねぇ。

それでも嫌な気持ちだけが残って、肝心の夢はぼんやりとしか思い出せないところが不思議ですよね。


貴方もないですか?

なんか嫌ぁな夢を見たのに、その気持ち以外はちゃんと思い出せない夢って。


あぁ、はいはい。


やっぱり僕だけじゃないんですねぇ。

良かった。


……あ、でもそうだ。


一つだけ___いや、一箇所だけって言った方がいいかも。

その場所だけははっきり夢で見た事を憶えている場所があるんです。


いやぁ、別に特別な場所じゃないですよ。


僕が小学生の時に使っていた通学路の途中なんですから。

ちょっと細い路地になっていて、両端に草がぼうぼうとなってるんです。


ね?普通でしょ?


でも___なんででしょうねぇ?


何度も何度も夢に見るんです。


一回は得体の知れないナニカに追いかけられて___そこで捕まったかなぁ。

一回はそこで背中から刺されたかなぁ。


あ、そこを飛んでいて落ちて死んだこともあるかもしれません。


別に特別な場所じゃないんですよ?


近くに墓地があるだけの、普通のミチです。


でも、やっぱり夢が気になって___中学校からは通学ルートを変えて登校してましたね。


ほら、小学校の時って近所の子と一緒に行かないと行けなかったじゃないですか。

シュウダントウコウ?みたいなやつ。


だけど中学生になって、それがなくなって___あぁ、僕の地域では小学生までだったんですよ、そのシュウダントウコウ。


それで、そのミチには行かなくなりました。


なんでって?


怖いわけじゃないんですよ。

でも___やっぱり嫌じゃないですかぁ、見るの。


え?


何を見るのって?


嫌だなぁ。



だって落ちてるじゃないですか。


貴方も一度はユメで死んだことがあるでしょう?

ならばそこに行ってみてくださいよ。


絶対落ちてますってぇ。


死んだんなら、残ってないとおかしいでしょ?

ほら、アレですよ。


僕、やっぱり見たくないんです。

いくら自分のだとしてもね?


ミチ一杯に落ちているのを見たら嫌になっちゃいます。



何がって?


もう、察してくださいよぉ。


あんまり言いたくもないんです。

















だって、ねぇ?
































自分のですよ?

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