第5話 本当に、いいの?

 香織の胸に顔を埋めて眠った。それは私にとって本当に心地が良いもので、なにかが浄化されるような気持ちがした。


 しばらく、そんな風に二人でお互いの家を行き来することが続いたある日、


「ねぇ、本当に、いいの?」


「うん。いいよって言ってるじゃんずっと。」


 私はおそるおそる、香織の唇にキスをした。それは心臓が張り裂けそうな緊張の瞬間で・・・、ただ唇を押しつけるだけのキスになんとも言えない興奮をしたのを覚えている。柔らかい。気持ちがいい。


「じゃ、次は私からね?」


 ん、んんっ、


 香織に唇を押し当てられると、ついばむように何度もその唇を動かされて、私は至福を感じてしまっていた。なんて、気持ちがいいの。もっとしたい。


 やがて、舌を入れる濃厚なキスに変わった。いつだったか忘れたけど、すぐだった気がする。それにものめり込んだ。なんていうか、もう、蕩けるとしか言えない。


 気がついたら、私は香織の胸を触るようになっていた。そして香織も私の胸を触るようになっていた。


「本当に・・・、んっ、いいの?」


「はぁ、、ん。・・・いいよ。」


 そう何度も言い合っては、私たちは際限なく求めだしたんだっけ。


 もうあの頃には好きになっていた、と思う。そして、


(セックスしたい)


 もう、止まらない気持ちがあった。香織は私より早くそう思っていたらしいよ。笑


 散々キスをして、上半身だけを触りあった後、同じ毛布をかぶりながら私は香織に問いかけた。


「ねぇ、あんたって、私のこと好きなの?」


「へ? んーそうだなぁ?好きじゃなきゃこんなことしないんだろうけど・・・。でも好きな人がいる子だからね萌は。何て言うか一線というか、壁はあるというか。恋かというとわからないような?」


 その言葉に身勝手な私はすごく傷ついてしまったんだ。


「好きじゃないのにこんなことするの??」


 ふてくされてそう言うと、


「好きだって言ったじゃない。でもそれ萌にだって言えるんだよ?」


 ああ、もう正論きたよ。


「・・・それ言われたらなにも言えない。。」


「ふふっ、萌。萌は可愛いの。私はちゃんと好きだよ?だから、次はセックスしようよ?ね?」


 体目当てかーい!と突っ込みそうになったけど、私もしたいのは同じで。


 っていうか。


 いつからなんだろう、、。私はこの友達が恋で好きかも知れない。


 そう思った途端、気持ちは溢れだした。ただし、お姉ちゃんが好きなことは変わらなかったんだけどね。


 この人と、恋人になったらきっと私は幸せだと思う。


 あ、でも、香織は私に恋しているわけではないのか。


 え、どうしよう。


 このまま、好きになってしまって、本当に、いいの?



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