第8話
龍鬼に背負われたまま学園に戻って来た
「ありがとうな龍鬼、もう大丈夫だ」
そう伝えると彼は丁寧に下ろしてくれる
「‥あまり無茶するなよ」
「目を酷使しなければ大丈夫だよ
まぁ‥また今から使うんだけどさ」
侵入者が来た事で後回しにしていた問題を
片付ける為に俺は神殿の方にと向かっていた
「神殿に戻るのか?」
「ああ‥[
死んでる奴らの数と
神殿内が変化してないか確かめないとな」
「‥俺も行く」
「まぁ‥だよな‥実際に中に居たんだし」
2人で色々と話しながら神殿前に到着すると
神殿前で倒れている市川先生を発見した
「!!市川先生!大丈夫か?」
市川先生の心臓の鼓動を確認すると動いており
気絶している事が分かった
「‥気絶してるみたいだ
つまり‥中は変わってるのを覚悟して
確かめないといけないって事か」
そんな事を考えていると‥
「優!市川先生‥どうしたの?」
「隼人か‥気絶しているみたいなんだ
誰かに殴られたんだと思う」
「先に神殿の中を確認しないか?」
「人手が足りないんじゃ‥」
「それなら解決している」
そう言いながら来たのは月城先輩達だった
タッグ選定時に居たメンバーの全員が
いつの間にか神殿前に帰っていた
「すいません‥ありがとうございます先輩
では神戸先輩と姫路先輩は外で
先生を見ていてくれませんか?
流石に女性に死体を運ばせられませんよ」
「確かに、そうだな‥神戸と姫路は
すまないが彼を頼む」
「分かったわ、彼が起きたら伝えるから」
「はい、お願いします」
先生を神殿から広場近くの木陰にと運んで
女性2人に先生を託してから
他の俺達は神殿の中にと入っていく
「龍鬼、少し眼鏡を頼んだ」
「ああ」
近くに居た龍鬼に眼鏡を渡して
[
「‥全然‥変わってる
少なくても"
「‥そうか‥とりあえず順番に
入口側から死んだ人達を
外にある広場にと運んで行こう
それで構わないか?」
「了解しました‥タッグに別れて
納体袋に入れて運んでいきましょう
それで構いませんか?」
「構わない‥始めよう」
俺は再び龍鬼から眼鏡を返して貰って
龍鬼と共に亡くなった人達を外にと運んでいく
しばらくすると俺の所に鳥の召喚獣が現れた
「!先生が起きたみたいですね
一旦、手を置いて全員で行きましょう」
「分かった」
「了解だ」
全員が神殿の扉前に集まったのを確認して
俺は再び眼鏡を龍鬼に渡して
[
そして再び眼鏡をかけつつ外にと出ると
神戸先輩が扉の前で待っていてくれた
「良かった‥伝わってたのね
少し遅かったら入る所だったわよ」
「すいません、中の確認も含めて来たんで‥」
「ふふっ‥嘘よ‥可愛いわね優哉くん
トリーお疲れ様‥さて行きましょう
待ってるから」
神戸先輩は鳥の召喚獣を消すと
先生を運んだ場所にと案内してくれた
「‥渡来‥それに皆‥すまなかったな」
「構いません‥誰に攻撃されたか分かりますか?」
「後ろから殴られたから分からない
‥ただ女性と男性の声の4つ声がした」
「‥居なくなっている数と合致します」
「分かった‥俺も死体を運ぶのを手伝うよ」
「先生は気絶してたんですし
女性陣と一緒にタッグ選定に参加した人達の
リストを作っていて欲しいです
誰が居ないのか‥ハッキリさせましょう
あと俺の[
後で書き込みたいので紙と鉛筆をお願いします」
「分かった‥神戸、姫路、ついてこい」
「わかりました‥頑張って下さいね」
「トリーおいで‥ごめんね何度も
彼の側に居てくれる?
トリーを貴方に貸しておくわ
終わったらトリーが自分で
私の所に来るようにしているから大丈夫よ」
「ありがとうございます神戸先輩」
「良いわよ‥そっちの方が大変だと思うから
申し訳ないけれど‥よろしくね」
「勿論です」
俺達は神戸先輩達と別れ
神殿の中にと入って眼鏡を
隼人が近くに居たので渡し[
「‥どう?兄さん‥変化はあった?」
「ないな」
そう言いながら隼人に眼鏡を返して貰いかけて
再びタッグに別れて死体を運び
全ての死体を運び終えたのを確認し終えると
トリーは俺の元から自動的に消えた
神殿から一緒に出る前の最後の確認として
[
眼鏡を外そうとすると月城先輩が近づいて来て
「目が良すぎるのも大変だな
どれだけ度を下げているんだ?」
そう尋ねて来た
「まぁ‥そうですね‥かなり度を下げてるとしか‥
人より良すぎて見えるからこそ
[
‥そんなに気になるなら眼鏡を確認して下さい」
そう言って俺は自分の眼鏡を
月城先輩に渡して[
「‥誰も居ない‥変化なしっと
どうですか?度が‥かなり低いでしょう?」
「ああ‥驚いた‥君なら
レッドゾーンでの侵入者の消滅が出来そうだな」
「‥しましたよ‥今日」
「!!人類が未だに未達成だったレッドゾーンでの討伐か‥本当なら凄い事じゃないか!!
‥まぁ‥でも‥君なら驚かないな‥」
「いや‥そこは驚いて下さいよ」
そんな事を話しながら俺達は
全員で神殿の外にと出た
神殿の外ではタイミングよく姫路先輩が待っていて
「あ、良かった‥広場の方で待っています
早く行きましょう」
黒い納体袋にと安置された人達が
並べられてある広場の中心で
先生と神戸先輩が共に待っていた
「先生‥リストは?」
「姫路や神戸の協力もあって出来たぞ
人数分をコピーして持って来たんだが‥
‥本当に一緒に確認するのか?神戸、姫路」
「大丈夫です‥中で見た時も悲惨でしたから
運ぶのは彼らの優しさに甘えましたが
確認するのはさせて欲しいです」
「‥分かった‥気分が悪くなったりしたら
すぐに確認作業から離れて良いからな」
「俺は[
認識した順番に紙に書いていきます
これは俺にしか出来ない事ですから」
「分かった‥頼んだぞ
他は確認作業に取り掛かるぞ」
そう告げて広場では
納体袋に入れられた人達の確認作業にと取り掛かる
書き込んでいると‥
急に納体袋が4つ燃え出した
「!?何で‥急にっ!!」
俺達は慌てて燃え出した火を消化する
なんとか4つともに消せたのだが‥
納体袋の中の死体は損傷が激しく
誰かは分からなくなってしまった
「‥この4つの遺体の確認は?」
「まだ確認が出来ていない奴だ
‥これで居なくなった4人も含めたら
8人が分からないという事になるな」
「‥それが狙いだったのか‥クソッ‥
流石に俺も遺体までは把握してなかった
‥すいません」
「死体が後から燃えるように
仕組まれていたんだろう‥気にしない方が良い」
「だな‥燃えた奴らは後にして
先に他の奴らを確認するぞ」
「ああ‥そうだな‥」
気を取り直し再び作業を再開した
俺は再び[
神殿内で記憶した事を書き込んでいく
そうして全員の作業も終えて皆が集まって来た
「お疲れさん‥皆の確認したリストで
確認が出来なかったのは
燃えた奴を含めて8人だったな」
「ああ‥1年が3人、2年が3人、3年が2人だ」
「俺達の中でリストで確認が出来なかった人達で
誰か詳しく、その人を覚えていますか?」
「3年なら私が全員を覚えている
特に時雨の方は3年では優秀な奴だったからな」
「月城先輩が言うなら相当に
優秀だったんでしょうね‥2年の方は‥」
「
詠さんや凛さんは私と同じクラスでしたが
優秀な方だったかと‥鷹取さんの方は
御影さんが同じクラスでしたよね?」
「‥そうだよ‥彼も‥優秀だった」
「1年は俺の知ってる奴が居ます」
俺は彼らの確認したリストで居ないとして
確認されていない1人が俺の親友だった誠だった
「‥影野 誠‥俺と同じクラスで親友でした
落ちこぼれの方だったと思います
‥そうですよね?市川先生」
「ああ‥俺が担当していたクラスでは
成績は下から数えた方が早かったな」
「
俺達のクラスだったな
‥星宮は優秀で俺が生徒会へと誘ったんだが
断られてしまった奴だ」
「‥風夜は優秀ってよりは
落ちこぼれ側だったけれど‥」
「確かに‥睦月の成績は良い方ではなかったな」
「‥この8人が死んでしまったか
もしくは生きていて
何処かにいるのかもしれないんですね
‥国には‥どうしますか?」
「神殿の選定リストに書いている者以外は
死んだ事で処理されるそうだ
侵入者によって戦い亡くなった名誉ある死として
全員を死んだ事として発表するらしい」
「‥そう言えば‥教室で残った人は?」
「‥リストを作る時に確認したが
彼らも騒動に巻き込まれて死んでしまった
守れなくて‥すまない」
「そうですか‥なら誠は残っていても
死んでたのかもしれないって事ですよね」
「‥ああ‥そうかもな‥」
「何で‥こんな事になったんでしょうね」
「‥兄さん」
「不公平だよな‥ホント」
侵入者によって殺されたのに
何故か悪意ある者によって燃やされて
誰かすらも分からなくなった人達がいる
それが辛かった
こんな事を起こした理由を
何故、こんな事をしたのかを
生きて消えた奴らに
問いかけたくなったのであった‥‥
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