第5話

全員が神像の前で1人ずつ順番に

自己紹介を始め出した

 

「まずは俺から

高等部1年で低学年側の生徒会長を勤めている

天宮 武蔵だ‥同じ1年なら知ってるように

[名声王ソングマスター]を持っている

神によるタッグ決定リストによればアタッカーだ」


「高等部1年の渡来 隼人

天宮会長のサポーターに選ばれたみたいです

1年では有名ですが[神官クレリック]を持ってます」


「私は高等部3年で高学年側の生徒会長をしている

月城 彰良つきしろ あきら

[軍師ロードマスター]を持っている

そのリストによればアタッカーだな」


「‥高等部2年‥生徒会長‥書記‥

御影 忍みかげ しのぶ‥[隠密王アサシン]

‥サポーターみたい‥よろしく」


「女性は私達だけですかね‥

神戸 由依かんべ ゆいです‥高等部3年

[召喚術王サモナー]で

リストではアタッカーみたいです

よろしくお願いしますね」


「えっと‥高等部2年で低学年側の副会長をしてます

姫路 朱音ひめじ あかねで[賢者王ケミスト]です

サポーターみたいです‥よろしくお願いします」


俺に自己紹介の順番が巡ってきた


「‥渡来 優哉‥高等部の1年です

[創造クレイブ]を持ってます

‥アタッカーのようです‥よろしくお願いします」


「‥?渡来と言えば

先程の1年も渡来ではなかったか?」


そう尋ねたのは3年の生徒会長の月城さんだ


「僕と優は双子なんです」


「そうなのか」


「質問は終わったか?

じゃあ最後は俺だな‥新堂 龍鬼だ

[格闘家ボクサー]を持っている‥サポーターだ」


「‥これで全員みたいだな‥にしても‥戦う側には

知る人も多かったんだが‥君だけは知らなかったな

渡来 優哉」


「‥それについては目立つのが嫌いだったと

思っていてくれませんか?」


「あれ?兄さん‥眼鏡は?」


「壊れたみたいなんだ‥特に不便はないし

大丈夫だろう」


「まぁ‥そうだけどさ‥」


「?壊れた?私の眼鏡は壊れなかったんだが

少し貸して貰っても良いか?」


そう言い月城さんが俺に壊れた眼鏡を

渡すように言われたので差し出した


「これは‥神戸‥すまないが‥[鑑定王サーチャー]で

鑑定して貰えるだろうか?」


「?どうしたんですか‥別に構わないですけれど

普通の眼鏡にしか見えないんですけど‥

えっと‥鑑定した結果ですと

少しレンズと

外部から少し魔力を防ぐレンズが

組み込まれてますね

眼鏡は貴方の能力の[創造クレイブ]で

作った物ですか?」


「ええ‥そうです」


「兄さんは昔から人よりも

んです

儀式の時に壊れたんだよね?」


「ああ‥呪文の途中にな

けれど、その後も何も見えなかった

外部からの魔力で破壊された訳じゃない」


「つまり内部‥此処に死んだ者の中が

何かを起こした可能性が高いのか‥」


「それとも私達の中に居るかもしれない

‥だろう?優哉くん」


「ええ、そうです

俺の力で先程に少し言えませんでしたが

[創造クレイブ]の他に[認識王グノーシス]があります

まずは空から来る侵略者達を処理しませんか?

後で俺が神殿内を再現した図面を書きます」


「忍‥ 確認だが

[認識王グノーシス]で再現される図は

虚偽できないという事も含まれていたな?」


「‥ うん‥彼は神殿内で見た物を

そのまま再現する事しか出来ないし描けない」


「分かった‥私は構わない

兎に角、今は空から来る侵略者達を対処しよう

それにしても‥外の者達は

終わった事を知らないのか?

普通は儀式が終わったら扉は開いて

先生達か事務員達が来る筈なんだが‥」


「本当ですね‥何かあったのかもしれません

儀式中はサイレン音も消されてますから

とりあえず外に出て確認してみましょう」


「ですね‥では

外に出ましょう‥でも、その前に‥この神殿内を

[認識王]で記憶しておきます」


「分かった‥待とう」


俺は血の海になっている神殿の地面に

手のひらを乗せ神殿内を正確に記憶した


記憶する物のズレや違いすらも俺には許されない


正確に記憶して俺は皆に合図をして

全員一緒に外にと出た


ーーしかし


外に出て見た光景も悲惨であった


何故なら一部の人を除いた人達が死んでいたからだ


果たして俺達が儀式の際に何があったんだろうか?


神殿から出た俺達は近くに居た人に事情を尋ねる


「すいません!何が、あったんですか?」


「ああ!神殿内で行われていたタッグ選定は

既に終わっていたんですね‥

実は国が管理する監察衛星でも

確認が出来なかった侵略者達が

こちらに攻め込んで来たんです

現場に居たタッグ達が対応したんですけれど

何名か侵略者によって‥死にました」


「‥そんな‥」


俺達が選定をしている間にも

侵略者達が訪れていたみたいだ


俺達が近くにいた人に事情を聴いていたら


「渡来!それに他の奴らも!!」


市川さんが俺達に気付いてやってきた


「先生‥朝に監察衛星が確認した侵略者の方は?」


「そっちは来てない‥影野は?」


「‥神殿の中の死体の山‥その‥どれかに居る筈だ

あんた‥こうなるって知ってたのか?

‥だからこそ、俺に

"お前は大丈夫だ"とか言ったのか?」


「‥すまない‥だが‥

お前達しか残らないとは思ってもいなかったんだ

実力のない奴は神の審判により

される時もある

だが‥まさか8名しか残らないとはな‥

400ぐらいの人が‥儀式に参加した

実力のある奴も何名か居た‥何があったんだ?」


「分からない‥だが俺の天賦ノ力で

神殿内は正確に記憶している

だから誰も入らせないで閉ざして欲しい」


「分かった‥お前の[認識王グノーシス]だな

兎に角‥神殿は俺が責任を持って誰も入らせない

突然の侵略者の来訪で負傷した奴らも多い

タッグになったばかりで悪いが

お前達に対応を頼めるか?」


「勿論だ‥その為にタッグになったんだからな」


そう言い俺達は空を見上げる


監察衛星が確認した侵略者達が

こちらに来訪するまで‥残り僅か‥

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