第2話

俺は部屋に鳴り響いた携帯の

アラーム音で目を覚ます


ゆっくりと起き上がりアラーム音を止めて

携帯をベッドサイドのテーブルに置いて

携帯の近くに置いていた眼鏡をかけ

ベッドから立ち上がりカレンダーを確認する


「‥タッグ組み合わせまで後4日か

日が経つのも早いな‥」


そう思いながら朝の支度を始めていると‥


突然、寮内にサイレンの音が響き渡る


「!!侵略者来訪の合図っ!?

最近まで大人しくしていたのに‥どうして‥」


慌てて制服に着替えて学園にと向かう


周りの奴らもサイレンの音に慌てながら

制服を着て学園にと向かっていた


寮から学園までは近いから

急ぎ足で走って教室に入ると

まだ数名しか集まってはいなかったが

数分もするとクラスメイトの半数が揃っていた


「本当に侵略者が来たんだよな?」


「サイレン音が寮内で鳴り響いてたからな

多分‥まだ一般の国民向けには知らされてないだろ

それに先生達は会議だろうしな」


「だろうな‥タッグ組み合わせをするって

国が決めたのは4日後だろ?

俺たちがタッグ組み合わせを緊急で

今日にするか決めてるんじゃねぇか?」


急いで来たクラスメイト達の会話が聞こえ出す


15分ぐらいした頃には

クラスメイトの殆どが集まっていて

誠も急いで教室内に入って来て俺に挨拶をしてきた


「おはよう‥先生は‥まだ‥来てないんだな

‥それにしても朝から驚いたよなサイレンの音」


「おはよう誠‥だな‥早く先生が来ると良いけど‥」


2人で話していると教室の時計が7:00となり

教室内にも小音ながら鳴り響いていたサイレン音が

チャイム音に切り替わると皆が席に着き始め

周りが静寂になりだした


数分もしない内に先生が

慌てた様子で俺達の教室に入って来た


「皆、朝の早くから集まっているな

委員長‥全員の点呼は?」


「すみません‥まだ」


「‥まぁ‥この混乱の中じゃ無理だな

見る限りじゃ全員が揃っているし大丈夫だ

まぁ‥知ってる通りに宇宙にあり国が

打ち上げ管理する監察衛生ロボットの1つが

侵略者の姿を捕らえたようだ

ロボットによる計測だと4時間後には

我が惑星のレッドゾーンに入ると予測した」


「先生!俺達のタッグ組み合わせは

どうなったんですか?」


「‥緊急事態だから国から許可がおりた

タッグ組み合わせを今から行う

学園内にある[神殿]に向かう事になるが

先に言う‥逃げるなら今だ」


そう真剣な目で先生は集まっている俺達に告げる


「本当なら言いたくないが

[タッグ]として[ヒーロー]として戦う道は辛い

目の前で親しかった奴が死ぬ現場を

俺は何度も何度も見てきたし

それを‥お前達には知って欲しくなかった

だから俺は此処に来てない奴は責めないし

[神殿]に行かないのも良いと思っている

逃げるのも権利の1つだからな

‥覚悟のある者だけ廊下に並べ

大丈夫だ‥タッグ組み合わせに居なくても

俺が責任を取ってやるよ」


「先生〜それ死亡フラグだから」


「だな‥てか覚悟なかったら

学園に制服を着て集まってねぇって

俺らが天賦を持てたのって

侵略者から世界を救う為じゃねぇかよ

それを今更さ使わないって‥馬鹿だろ!」


「そうそう!行かないで後悔するよりも

行って後悔した方が良いだろ!」


最後の言葉は誠が先生に向けて明るく叫んでた


教室に集まったクラスメイト達が

先生に対し激励と感謝を込めたヤジを飛ばす


先生も辛そうな顔をしながらも


「‥そうか‥っほら!覚悟の出来た奴は並べ

教室に残るのも選択の1つだ

だが7:30には此処から出て8時までには

[神殿]に揃わないといけないからな」


そう言い先生は教室から立ち去っていく


それを見たクラスメイト達は

先生を揶揄いながらも覚悟を決めた者が

教室から出ていく


俺も教室から出ようとして

誠に話しかけられた


「なぁ‥先生の言ってた言葉で

此処に残る奴は本当に大丈夫なんだよな?」


教室には先生の言葉に躊躇って

タッグ組み合わせには行かずに

教室に残る選択をした奴らが何名か居た


「‥大丈夫だよ‥きっと

あの人がなんとかするだろうし

誠も‥教室に居ても良いんだぜ?

お前が天賦を得たのは

教室に残る奴らと同じぐらいだろ」


「そうだけどさ‥さっき先生にも言っだけど

俺は行かないで後悔したくないからさ

それに優哉とタッグを組んで

ヒーローになるには行かないと‥だろ?」


「そうか‥じゃ‥お互いなろうな」


「ふふっ‥違うぜ優

なるんだよ‥タッグにさ」


そう言いながら誠が拳を突き出して来たので

俺は少し笑いながらも自分の拳を重ねたのだった

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