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riyo

第1話

昔々、神様同士が協力し世界と

自らを信仰してくれる人々を創りました。


しかし知恵のある人類によって

創った世界は内側から破壊され人類は滅亡しました。


頭の良い神様は世界を新しく創り上げ力を与えました。


それがスキルと呼ばれるものであり

力が飛び抜けている者には祝福として

天賦を授けました。


天賦を受けた者達は2人1組の[タッグ]となり戦う側[ファイター]と

サポートする側[サポーター]が一緒になり戦い

神によって選ばれた者が持つ能力を屈指して

他の惑星から我らが住む惑星を

侵略しようとする[侵略者]達を倒す事こそ

ヒーローの使命であり務めでもおる


とある街には幼い少年達が

侵略者達と戦うヒーロー達を見るために

広い野原を走っていた


「おにぃちゃん〜待ってよ〜」


「早くしないと間に合わないぞ!」


放送で宣言されていた場所では

目の前で共に倒される侵略者達と

必死そうに戦うヒーロー達が居て少年達は

侵略者達から隠れて戦うヒーロー達の

邪魔にならないように戦いを見守っていた


テレビで見る姿よりも生で戦うヒーロー達が少年達には輝いて見えた


「にいちゃん‥ぼくらも彼らみたいになれる?」


「当たり前だろ!でも‥お前なら最強だろうな!」


「じゃ〜ぼくたちもタッグだね!」


「そうだな!一緒に"タッグ"になろうな」


ーー幼い頃の2人の少年の約束


互いの魔力が測定される前の


在りし日の思い出


2人の少年は双子だった


共に育ち共に成長した


けれど魔力測定がされる6歳の頃


俺と弟は魔力の違いによって区別された


魔力の高い弟は優遇され

そうじゃない俺は無能のレッテルを貼られる


天賦ノ才を得た時も学園でも同じ


侵略者達から世界を守るヒーローとなる為に

神から選ばれた者が[天賦ノ才]を持つ者が

多く集まる[英雄学園]と呼ばれる場所で


俺と弟とでは過ごす環境が違っていた


そう平穏な日々に侵略者達が来るまでは‥‥‥


ーー国立英雄学園


全寮制であり神から得た能力を持つ者が

侵略者を倒すヒーローとなる為と

神から得た力を成長させる為に出来た学園である


英雄学園では初等部、中等部、高等部とあり

[天賦]を得た時点で学園の入学が決まる


ヒーローとなった後も英雄学園では

侵略者達を倒す為の司令塔の役割を持っている


魔力の少ない一般人には得る事すら

不可能と言われる未知の才能は

他惑星から侵略しようとする"侵略者"達と

戦う為に神が相応しい者に贈った


「‥と、このように伝えられている」


ーーーキーンコーンカーンコーン


授業をこなす先生の言葉にタイミング良く

終わりを告げるチャイムが流れた


「‥っじゃ授業は此処までだな

明日はテストするからな〜」


そう告げて出て行く先生を合図に

教室で座っていた生徒が各々と

次の授業の用意やら友達との会話やら

休憩する者やらで賑わい出す


俺の親友で同じクラスの影野誠も

授業が終わり俺の席に来た


「おい!優哉!さっきの授業は

終わるタイミングが良かったよな〜

流石、元ヒーローのタッグで

サポーターしていただけあるよな」


「確かに」


「有名だよな‥あの人って

俺も良くテレビで見ていたし

確かヒーローとして組んだ相方が死んだとか

自分の故障とか色々とニュースで言われてたけど

本当の理由って誰も知らないんだよな

[天賦]?だっけ?それを得て来たけどさ

本当に聴いてた以上に此処は本当に凄い所だよな」


「そうか?俺は初等部の後半からだからな

あまり実感がないけどさ

でも普通の学校と大差ないだろ?」


「まぁな‥そんなには違ってないけど

やっぱ優哉も[天賦]を得た時って

色んな奴が集まった?」


「ああ‥まぁね」


「優哉の所だったら賑やかどころか

騒がしいぐらいかもな‥

お前の弟って確か才能も魔力もケタ違いだって

ニュースでやってるの見たっ‥あ、悪りぃ」


「大丈夫だよ‥気にしないで」


「‥そうか?‥でも悪いな

そう言えば侵略者達だけど

最近は来てないって報道されてるよな

でも国は延期していたタッグの組み合わせを

実施するって宣言してる‥おかしいよな

もしタッグになるなら俺は優哉と組みたいな」


「俺もだよ‥その時は

誠がファイターだと良いんだけど‥」


「なんだよ〜俺がファイターか

でも‥お前がサポーターなら

俺達は最強のヒーローになれるだろうな!」


「‥‥そう‥だね」


「なんだよ〜そこは"うん"だろ!?」


「あ、ごめんごめん

タッグを決めるのは神様だからな

無理かもしれないって思っただけ

でも一緒にタッグを組めたら良いな」


「ああ!だな!」


俺は誠と共に何気ない日々を過ごしていた


何気ない普通の高校生活が


このまま続くと‥‥


‥あの頃まで‥思っていたんだ‥

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