第38話 真実か欺瞞か
「なんだろう?」
タクミはそう呟きながらも、身構える。その一方でレイカは少しだけ不審の色を浮かべて眉を
レイカの耳は——女性の助けを求める悲鳴の中に、微かに欺瞞の音を感じたのだ。
しかしそれを伝えるよりも早く、タクミは声の主を助けようと草原に飛び込んだ。
「危ない!」
草むらに踏み込んだタクミに、すぐさま真っ黒な蛇が飛びかかる。レイカの長槍が空気を裂いて飛び、その頭を貫いて地に刺さる。
大地に頭を縫い付けられた大蛇は、それでも長い体をうねらせて苦悶に悶えた。
タクミも素早く腰の銃を手に取り、構える。今朝からは常に風属性の蛍石を数個装填してあり、いつでも撃てるのだ。
幸い、マンバには出くわさずに悲鳴が発せられた森の前に到着する。少し遅れて長槍を回収したレイカがやって来た。
そこへ再び、悲鳴が響き渡った。
二人は顔を見合わせると、頷き合いそれぞれの武器を構える。緊張に喉を鳴らしながら、何がいるかわからない森の中へと踏み込んだ。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます