まよい(密林、双子、足跡)

 足跡を辿ってきたのに、気づいたら密林の中に居た。

 どうやら辿る足跡を間違えたらしい。今、僕の現在地なんて分かりやしない。下を向いて歩いてたから。その上、後戻りもできない。

 さて、どうしたものかと途方にくれていると、二人の少女が現れた。見た目は同じ。双子のようだ。

 「こんなところで何してるの?」

 双子の問いに、それは僕が聞きたいくらいだよ。と答えた。すると双子は笑った。

 「案内してあげる。」

 そう言って僕は双子に両腕を引っ張られた。案内?どこにだろうか。

 右の女の子が言う。

 私は直感で今進んでるんだ。

 左の女の子が言う。

 私はじっくり考えて進んでんのよ。

 二人の思考は全く違うがどうやら辿る道は同じらしい。

 しばらく歩くと密林を抜けた。そして、双子は口を揃えって僕に言う。

 「着いたよ。入り口に。」

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