戦さ場 (大河、祭り、宝船)

 ずっと昔からある祭り。大河で行われる祭り。それは今も続いてる。

 河に沿われて並ぶ的屋が活気を生む。

 妙に射的屋が多いのは、ここの風習だろうか。

 射的銃を構える人間がずらっと並び、狙いを定める。標的が景品で本当に良かった。

 この祭りの醍醐味は灯籠流し。

 しかし、灯籠の光は遠くから見れば、まるで宝船。

 射的銃を持った子供が撃ってしまうのではないかと思ってしまう。

 そんなことが起こってしまえば、ここは、たちまち戦さ場に。なるなんてことは、ないのだろうな。

 ところで、的屋で生計を立てている人達は、これが終われば何処に行くのだろう。

 あの、宝船の行く先を知らないように、誰も気にしない様に。

 彼らのこの先を案じる人は居ない。

 彼らは、生き延びる為に、人知れずに武器を稼ぐのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る