第19話 とりあえず、登録
「というわけで、とりあえず臨時のギルドカードを発行させてもらう。」
「臨時、ですか?。」
「通常のカードと変わらず使えるからそこは気にしなくていいと思うぞ。」
ということで、ちょっとメタリックなドックタグのようなカードをもらった。
これは2枚構成で大きさは4x8センチ位で厚みは3~4ミリ程、表面にはギルドの
マークと名前がそれぞれに彫ってある。通常は名前の方に討伐などの記録が入り
ギルドマークの方には個人のステータスが入るようになる魔道具だそうだ。
仮というのは、ステータスチェックの途中で係官が倒れたためである。
「ステータスは、HP250、MP280、SP150にしてある。他所で見られたりしたら
確実に危険物扱いになりかねんからな、魔法適性は治癒、水適性の2つにしたんだが
使えるよな。」
「得意とはいえないけど、まぁ使えますけれどいいんですか?。」
「あれを見せられたら仕方ないと思う、君に全適性があるのはわかってるだけど
それをそのまま載せる訳にはいかない。」
「でしょうね、自分でもびっくりしてます。」
「わかってくれたら嬉しいな、もう行っていいぞ。」
ギルマスの部屋を出る前に隣接するもう一つの部屋の様子を見に行く。
そこは普段はギルマスが仮眠するために整えられた部屋なのだが、今はルイリアが
休養している。傍らには受付嬢のラメリアさんがついている。
「少し疑問があるのだけど、あのシステムは安全装置とかついてなかったの?。」
「今まで、どこの支部でも何も起こらなかったのよ。アンゼンソウチが何か知らない
けれど、あのシステムは本部のコピーなのオリジナルは先々代の勇者が降臨したとき
に勇者とともに来た賢者が作り出したと聞いているわ。」
「勇者、賢者?。」
「・・・聞いたことないの魔王とその軍を打ち破り世界に平和をもたらす者が
勇者で、聖女や聖戦士、賢者とともに活躍した話を。」
「・・・おとぎ話じゃなかったの?。」
「冒険者の間では実話よ、もっとも何世代も前の話だけれど。」
「時間があれば、安全装置の方を考えとくわ。」
「・・・呆れた、あなたそんな事もできるというの?。本当に何者なの。」
その質問には答えずに部屋出た。何者かなんて俺もよくわからなくなってきた。
「マスターが、○▼ル2□じゃないことは確かですね。」
デリンがなぜそれを知っている?。えっ俺の記憶を読んだんですかそうですか。
ギルマスの部屋から出て、みんながいるフロアに戻った。
ここには港町から雇った冒険者のパーティが待ってくれている。
「ずいぶん長かったけど、終わったのか?。」
「かなりバタバタしていたようね。」
「待たせちゃったね、でもみてよギルドタグできたよー。」
そう行って、パーティリーダーのケレン(双剣を使う)にギルドタグを見せつける。
タグはシルバーに輝くチェーンにつながって首からかけている。
「あらあら嬉しいのはわかるけどねぇ、気安く他人に見せるもんじゃないわよ。」
カサンドラさんが私を抱きしめながらそう言う、む、胸の膨らみが凶器です
呼吸ができない。ちなみに彼女は異端審問官で身長ほどある大剣を使う戦士だ。
他にも短剣と弓の扱いに優れるメリアさん、まさに魔女って感じで、パーティの
お母さんのようなポジションのアンリさんが、囲むようにして私のギルドタグを
見ている。彼女たちは冒険者としては珍しいホーム(家族)パーティで、
運良く偶然?依頼の条件にあった人たちだった。家族だけあってコンビネーションは
とてもいい。アズラール王国の捜索隊との戦闘(寝込みを襲われた時)も
鮮やかだった。その後の拷問じゃなくて、尋問もとても手慣れたものに見えた。
特にカサンドラさんの捕虜に対する処置は素晴らしく、その話し方はこれからの参考
になるものだった。
彼女たちのパーティ名「家族亭」は結構有名なのだが、本来の名前よりも「過賊帝」
としてこの町でも多くの冒険者が知っていた。
「ともかく、そこに座りましょうか。詳しく聞きたいから。」
アンリさんに促されて、ギルドホールの一角 酒場に近い場所に空いていたテーブル
に向かう。
「色々聞かせてよ、もう依頼の場所まで来たんだしね。」
「あ~俺も聞きたいな。」
「わたしも聞いておく。」
「ま、約束だしね。でも信じてもらえるかな?っていうような話だよ。」
「ん短い間だったけどさ、あなたのことは信じるしかないとこみたしね。」
「じゃあ、何か飲みながら聞こうか。みんな好きなものを頼んでくれ。」
リーダーのケインさんが全員の飲み物と軽いつまみをオーダーしたあと
促されて、俺(私)は主にデリンと出会ってから体験した一部を語り始めて
その結果、品のない(冒険者の殆どがそうだが)おっさんたちをふっ飛ばすことに
なるのだった。
設定ミスじゃないの? なんか眠い @otohcan
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