第14話 ほら、いるじゃん。ポ・・

「はぁ、短絡ですね?索敵とか探査の魔法もお持ちでしょうに。」


デリンはそう言うと俺の直ぐ側から消えてしまった。


砲撃が止まった砂浜にゆっくり降下して行き、砲撃による延焼を防ぐために


燃えてない部分の樹木をエアカッターで伐採して火災が広がるのを防ぐ。


しばらくすると、デリンが海の中から戻ってきた。


両手に木箱を抱えてる、だけじゃないな、まだなにか持ってる。



「何だそれ?。」


「あの3隻の船倉にあったお宝ですね。お国の硬貨では?。」


「どれどれ、確かにこれだけあれば・・・ここでは無意味ね。」


「帰られるのでしょう?。そのときに使えるのでは。」


「それはそうだな。【亜空間収納】に入れておけばいいか。」


「それに宝石もありましたのでこちらも。」



そう言って、地面におろした木箱の蓋を開け中身を確認し、


宝石箱もいくつか体内から取り出した。それらを【亜空間収納】で収納すると


「あれどうします?、消えますか。」


「んー燃え尽きれば。」


消火剤を作らないと消えないだろうしーそうか、酸素を周りからなくしてしまえば


消えるかな。


ん~なんかの本で読んだ気がする。石油プラットホームの火災を爆発で炎を消すとか


どこかで見たぞ。やってみるかな、【シールド】【可燃性ガス生成】【超高圧縮】


で、作り出した魔力で固めた爆弾を沈没船?3隻の上空へ移動させて、


【爆轟】《デトネーション》


凄まじい爆発が巻き起こり、衝撃波で船などは粉微塵になり、海の底まで見えた気が


する。もちろん海岸にいた我々も吹き飛ばされるので、【土】で作り出した対爆


シールドの塹壕に避難している。


その中で、デリンが深海の底にもしかしたら昔隠したものがあるかもしれないと


言い出した。


「やっぱりいるの?○セイドン。」


「いません、鋼の巨人はいません。けどあれ似てる・・・のかな?。」


潜水艦なのだけれど、海中での機動性を考慮した結果腕がついてるという。


脚付けようそうしよう、もっと機動性が上がるぞとかいって。



「マスター、脚はいらないですよ。」


「いや、腕があるのなら「いりません。」あ、はい。」



ここが南北両大陸から離れた第三の大陸(もとは同じだけど)であるなら


一度帰れるなら国に戻り、なぜ遭難する事になったのか。を知っておきたく思った。


今なら、自力で飛んで変えることも可能かもしれないけれど、できることならこの力


を隠しておきたい。


船を一から作ることもできるけれど、他に便利な方法があるならそれを使って


みたい。あっでも手のひらの上に乗って海の上を進むのは嫌だなぁ。


潮風ってベタつくんだよなぁ。それに海洋生物や魔物もいるんだろうし、


絶対戦うよなぁ・・・



「それって、飛んだりするのか?。」


「・・・飛んだほうがいいですか?。」


そう言えば、手のひらの上に乗って飛ぶロボがいたなぁ。


だめだあれは腕時計がいる!。



「いや、中には入れるやつかな、それって。」


「中以外どこに乗るつもりでした?。」


よかった・・・中に入れるんだ、そうだよねーコックピットて中だもんね。



そう思ってた時期が俺にもありました。


今、俺はデリンの腕付きの潜水艦の中にいます。ここも中なのかなぁ・・・


俺的には口の中なんだが、ロボはロボでもボ○ボ□ットかよ。


最もグレードは格段に上なんだろうけれど。


今は大陸にゴーレムの軍団を残して地図の作成と資源の調査を命じてきた。


俺はこの腕付きの潜水艦?の口の中で水中を高速で爆進中だ。


群がる水棲魔獣をその腕でちぎっては投げ、ちぎっては投げならぬ


殴る、割く、持ってる銛でぶち刺すとかで排除しながら。


「デリン、一つ聞いておくけどいいかな?。」


「なんです、マスター。」


「道あってるんだろうね?。というかそもそもこれはどこに向かってるのかな。」


「・・・あって、ますよ。」


「その間は何、間は。」


「この子はかって、この惑星の海を制覇したいわば海の王者ですから。」


「だ、い、じ、ょ、う、ぶ?。」


「・たぶん大丈夫です。」


「この子の移動速度はどのくらいかしら。」


「巡航速度で70~80ノットです。」


「ということは、時速で130~140kmくらいだよね。」


「そうなりますね。」


「早いよね。」


「もちろんです。先端から水の抵抗を低減する・・・。」


「2日ぐらい経つよねぇ、そこまで遠いのかな南北大陸。」


この惑星の自転速度は分からないが、地球と同じ24時間だとして


1日に進む距離は時速130kmとしても3120kmの倍6240km


日本からハワイの辺りかな、途中休憩なしだしって試射で開けた幅


もっと狭かったよね?。


「迷ってるんだね。」


「ま、迷ってますね。<と、止まりなさい><アーパス>。」


この腕付き潜水艦、艦名を持ってなかったのでポ○イドンと付けようとしたら


なぜか拒否られたのでこんな名前に。


止まって話を聞くことにしたら、何でも


(直接話しが通じないのでデリンが間に入って通訳してる)



「数千年ぶりの目覚めで嬉しくって調子に乗って(我を忘れて)


泳ぎまくったら方向がわからなくなって、でもまぁ1度昔のテリトリー《縄張り》を


見てからのほうがいいかなっと思って、でも急いで見て回るつもりだった。」



などと言ってますね、ということはあれか、迷ってるんじゃなくて


わざとか、わざとだよなぁ~。


「どうします、マスター戻らせますか?。」


「はぁ、ま急ぐ旅でもないから全部回ってもいいが、戻れたり目的地には


つけるんだよな?。」


「それは、大丈夫だといってます。」


「なら、いいぞ。なんなら両大陸の人が行ってないところを探すのもいいかもな。」


「いいんですか、そんな事を言って。」


「だめかな?。」


「帰る気がないんなら、どうぞ。その間にゴーレムたちがあの大陸を征服して


溢れ出るかもしれませんよ?。」


「それは、それで困ったことになるかもな。」



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