第6話 探索、探検、進撃?。

 なんだかんだで日が暮れて、今俺は砂浜とジャングルのどっちで寝るか考えた上で


ジャングルの中に入りお昼寝で使った木の上の簡単な寝床に寝転んでいる。


砂浜に【土】系統の【クリエイト】で家でも作ろうかとも考えたけど、潮位の変化が


読めないし昼間のようなセイウチみたいなのが突然来ても困るよね。


ジャングルの中も地面で寝るのは論外だろうし、昼寝で使った木の上の方にに近いと


ころに寝床を作り直して移動した。


【風】系統の【コントロール】で周囲の気流を操作して、虫とかが近寄れないように


してる。


温度も調節できるので快適空間ができてたりしかも、


昼間即席で作り上げた【クリエイトゴーレム】の魔法を使って周囲をゴーレムに護衛


させて守りも完璧仕様。昼間のと違い今回は魔石を動力源にした。


そうして、身の安全を確保して状況分析中なんだが、どうやら記憶を取り戻す前の


俺は「アズラール王国」の王位継承権一位の第一王女らしい。


そしてよくあることだが、継承権二位の第二王女(父親が違う)派による陰謀で


隣国への遠征中にはめられて乗船もろとも爆破されてしまったようだ。


奇跡的に助かったわけでなく護衛の騎士の一人がそれに気づき


俺だけを先に逃したようだ。ただその後に船が爆破されたので、


その煽りを食ってしまった。


漂流するうちか爆破の衝撃か、そのおかげで前世の記憶と人格が表に出て


きてしまい本来の人格と融合してしまった様な感じだ。


昼間は興奮していたのかわからなかったが、今では物心がついてからの記憶や言動も


覚えているので体を乗っ取ったわけではなさそうだ。


ともかく今の目標は現在地の確認、国に帰る、そしていかにして復讐するか。


食料は流れ着いたものの中に少しあったし、虎やセイウチもどきの肉もあるし


(にくは熱を加えれば問題ないと表示された)寝床も作った。


魔法があれば火や水の問題もない、それにおそらく普通の人が脅威になる大型の獣も


いくら安全を確保したつもりでも、日が暮れたジャングルの中で煌々と明かりをつけ


ていいわけではないだろうから、この日はもう寝ることにした。



次の日の朝、森の木々の上の方で眠るということは、


日の光に当たるのも早くなるわけで、目が覚めたのは日の出と共にだった。


そこで問題が発生した。



生理現象である。いや何も女の子特有の月のものが来たとかではなく、


単におしっこである。


昨日は記憶を回復したり、いきなりステーキじゃなくて、


いきなり猛獣に襲われたり、


そのあとかたずけに寝床の確保と使える物の選別などに時間をとられたため、


気にしてなかったんだが、



「俺、女の子だったんだな・・・。」



つぶやいてしまうには十分な状況に?。


まぁ、そこは気にしないでおこう、これから起こるかもしれないこともー


まだ時間がある・はず。気を取り直して、


回収物から食べれそうなものを見繕って腹に入れて行動を開始する。


寝床になってるところはそのままに、更に木を上っていく途中でもっと高い樹が


あればそちらに移りながら、樹の頂を目指す周りを見回して現在地を確認する為に。



「わぁお、絶景!。」



そうして、見まわした風景は見事に広がる密林と遠くにかすかに見える山々だった。



「どこの田舎なんだここ?。」



それが分かれば苦労はない、ないけれど思わず口にした。


だって周りに誰もいないから。


もう一度あたりを見回してみると先ほどは気が付かなかったのだが、


山の手前の方に違和感を感じる何かがあるように感じた。


右上のマップにマーキングできるか試してみる。


できたので寝床まで降りて撤収する。


地面まで降りて警戒中のゴーレムを集合させて、欠損がないか確認する。


体内の魔石に魔力を補充して、再プログラミングして「護衛」させる。


前衛に1体後方に1体真ん中に俺という配置にしてる。


こいつらのモデルは俺の記憶の中にある前世の西洋甲冑で、体高は2メートル


右手に両刃の直剣を、左手にはカイトシールドを装備している。


少し残念なのは、土で出来てるんだよなぁ。表面ツルツルでかなり硬くはしたけれど


剣を左右に振って道を切り開いて進んでいく、イメージはセラミックナイフだから


よく切れるはず。


1時間位進んだ時ふと俺が歩く意味がないことに気がついた、いやもっと早く気づく


べきだった。


前方の一体を作り変えて、ちょっと小さめのケンタウロスのような形にして、


その背中に乗った。単純に馬にしなかったのは腕の必要性からだ。


どこに何があるかわからないジャングルの中を進むのだから、


腕はあった方が便利だろうし。


時に樹上から襲いかかる豹や猿のような野獣を切り捨て、押し返して進むこと丸二日


ついに手持ちの食料が尽きた。


その日の夜、追加でアラクネタイプとラミアタイプのゴーレムも作ってみた。



(ケンタウロスー馬の体の首に当たる部分が人の上半身になっている)

(アラクネー上半身が女性で下半身が蜘蛛のモンスター)

(ラミアー上半身が女性で下半身が蛇のモンスター)



ケンタウロスでも支障はないと思うのだが、この先により地形の悪い場所があった


場合を考えての多脚化とその反対のモデル・・・まぁ俺の趣味だな。


ちなみにすべてのゴーレムに動力源として魔獣からとれた魔石を核として埋め込んで


ある。


この核には俺の魔力を充填し簡単な行動命令を組み込んであるので、


ほぼ自立して行動できるので他の属性の魔法よりも便利なので視界の右下から選べる


ツリーも【土】系統が伸びている。


ちなみにゴーレムが野獣や魔獣を倒してもしっかり経験値が入るようで、


HP/MP/SPが増えていき、開放された魔法も多くなってきた。

















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