第3話 知らない天井~じゃなくて・・・
「ここは、どこだ?。」
次に目が覚めたところは、どこかの海岸の砂浜だった。
波が引いては押し寄せる、下半身が濡れているその気持ち悪さに目が覚めた。
周りを見わたすと、かなり先まで続く砂浜と水平線のかなたまで続く青い海そして、
海の反対側に見えるのは鬱蒼としたジャングル。
海の方には岩礁も所々見える、周りには打ち上げられた木片や何かの残骸。
死体がないところを見ると流れ着いたのは俺だけか?。
ー俺ー 誰だ?俺・・・俺は・・・そう・じ、神宮寺 れん、そう
あの初老の女性と話をして、別の世界に生まれ変わるとか。
ここか?いやしかし、生まれ変わっていきなり遭難してるようなシュチエーション。
これで生まれたばかりの赤ん坊ならあと数時間の命かな、
そう思って自分の体を見ると、これはまたずいぶんと若くなったものだ、
10歳ぐらいかこれなら生き残れるか。
右足・・・動く、左足・・・動く、右手・・・左手・・・よし
ゆっくりと上体を起こす、奇跡的に傷一つないようだ。
まずは水の確保だな、その後は火と住みかと食べ物か。
視界の端に点滅する小さな光が見えた。
意識を集中してそこを見ると、ウィンドが広がった。
そのウィンド越しに見る世界はまるで、ゲーム画面のようだった。
視野の右上にはマップとコンパスと時間があり、左上には俺の現在の名前と
赤青黄色の3つの色違いのバーが表示され、左下にはチャット欄があるけれど
誰と話すんだこれ、てかキーボード出るのかな?
それよりも俺の名前、ヴァニッサ・ラザ・アズラール(神宮寺 漣)11歳って
誰?、というか今世の名前なんだろうな。
右側にはタスク用のスペースがあり、今は【水を探す】【火を起こす】【家を作る】
【食料を確保する】と出てる。
これはさっき自分の中で決めたことだな、完了したタスクも見れるようだ。
そこには、【身体の状態を確認する】と出てて、異常なしとコメントしてあって
薄暗くなっている。
右下には歯車のついたアイコンや鞄、本、人の形のアイコンなどが並んでるバーが
ある。まんまゲームだな、あるかもしれないなログアウトのボタン。
歯車アイコン覗いたらありました。あったけど押すとウィンドウが開いて、
>はじけて、消える(すごく痛い)
>細切れになって、消える(もっと痛い)
>どろどろに腐って消える(後悔する)
の3択でした。誰が選ぶんだよ。
視界の中央を手近な木片に合わせてみると、【何かを作っていた濡れた木のかけら】
と出た。便利だな、解析か判定の機能があるようだ。
本のアイコンに意識を集中させると、本が2つ出てきたので左に意識を合わせると
【火】火を起こす魔法:Lv Max
【水】水を出す魔法:Lv Max
【風】風を起こす魔法:Lv Max
【土】土で物を作る魔法:Lv Max
【時空】時空間を操る魔法:Lv Max
と表示されている。最後のだけは少し表示が暗い。
それぞれの後ろに(T)の形のマークがある。
魔法が使えるようだ、しかもタスクの3つ分はこの魔法でクリアできそうだ。
魔法が使えるなら当然だが、魔力の表示もあるはずと意識してみると、
視界が一転して最初の画面?に戻り、左上のバーの青い方がハイライトされた。
MP 1,300/1,300 (99,999)これって多いのか()の中は何だろう最大値かな?
青いバーの上にある赤いバーは、体力か生命力なんだろうか、
HP 150/1,450 (99,999)と出てる、かなり弱ってるな。
あと黄色いのはスタミナかな?。
こちらは、SP 600/1,300 (99,999)と少し減ってる。
まだありそうだが、とりあえずもう少し波打ち際から離れた方がよさそうだ。
今が満潮ならいいが、そうでないとなると海にひずりこまれる。
魔法がある世界、ということは魔獣とか、魔族とか、魔王にあと
勇者なんてめんどくさいのもいるのかな?。
考えても仕方ない仕方ないけど腹は減る。【食料を確保する】はタスクにもあるし
しかし食べ物か、海に近いし魚介類か、ジャングルも見えるから動物か植物もありえるか
そして問題は、それらが食べれるかどうかが判別できるか、捌くことは勿論そもそも狩猟の
道具をどこで調達するかだな。意外とジャングルの奥に町があるかもしれないし、
そう気楽に考えてた時期がありました・・・。
人の手が入ってない密林は歩きにくいなんてものではなく、靴履いててよかったね俺・・・
じゃなくて、すぐ挫折して浜に戻ってきました。
うん、海岸線を歩いて行けば人里に出るかもしれないしね。
視界の中にあるマップには歩いてきたところが記録されているようで、今進んできたルート
が表示されている。
「お腹すいたな・・・。」
こんな時でもちゃんとお腹は減るもんだ、と感心しながらどうしたものかと考える。
歩き始めてから、魔法が使えないものかと試行錯誤を繰り返しているんだが。
これは前世の日本ではなかった技術?だし、マニュアルもないのでなかなか上手くい
かない。
魔法はイメージだ。とかよく読んでたライトノベルには書いてあったが、
もしかしたら、現実には呪文とか魔法陣とかが要るのかもしれない。
途方に暮れて、視界の右下にある歯車のついたアイコンを見つめていると、
横にスライドしたではないかそこには設定ぽいアイコンがあり、
それに意識を集中するとヘルプの項目があった。
ゲームぽいなぁと思いはするが、今更なんで気にしたら負けだと現れた項目から
魔法に関することを読んでいくと、どうやら発動させるには【ワード】をある規則で
並べるといいらしい。
いいのか、それでこの世界大丈夫か~。
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