第11話 引き込まれる
「一緒にシュカの所にいこう」
俺はそう言うと赤瀬は強く頷いた。
俺が仮眠を取っていた時間の中で詳しい場所などが分からない状況では赤瀬と離れずにその状況に出くわすしか方法は無いだろう。
「というわけでバロン。俺行ってくるからまた後で連絡するわ!」
「まあしゃーないな。はいよ〜」
そう言うと俺と赤瀬、そしてさかきはシュカが
「というか、シュカはこの
「このビルは各方角にそれぞれあって、ここは西部にある場所なの!シュカくんがいる場所は東部だね」
「シュカも元々は西部で活動するストリーマーだったが、東部にいる事務所の勧誘で今はそっちで活動してるわけだよ」
つまり、各方角によってストリーマーが配置されていて、移動も可能というわけか。
「こっから東部までどれくらいで着くんや?」
「ん〜2時間くらいかな」
「2時間!?そんなに遠いってライフライブの
俺はそう愚痴をこぼす中、3人はシュカの所へ向かった。
…………………………………………………………
17:00
「やっと着いた……」
ここが東部のビルか……あまり西部と変わり無いな。
俺達はビルに入り、エレベーターで35階に向かった。
「35階ってなんでこんな高いところでシュカはやってるんや?」
「そりゃあ、あんちゃん…それほど人気ってことだよ。シュカは特に女性からの人気が高くてな、顔もいいんだぞ」
「へ〜……」
35階に到着すると、ロビーは多くの女性で行列になっていた。
「シュカくん!!今日は頑張ってね!」
「今日のために用事全部キャンセルしたんだよ!」
多くの女性がおそらく奥にいるだろうシュカに声をあげていた。
やはり、人気なのは本当みたいだ。
「すみません…シュカくんに会いたいんですけど…」
赤瀬は受付の方にカードの様なものを見せる。
「赤瀬様とさかき様ですね!シュカ様よりご連絡頂いております!どうぞ」
そう言われるとさかきと赤瀬は奥へ入っていく。
「お…おい!俺は!!」
「フミキくんはそこで待ってて!すぐ戻るから!」
そう言うと2人は奥へ消えていった。
なんだよ、俺だけ一般人扱いかよ……まあそれもそうか
しばらくすると俺とシュカのリスナーである人らは
「皆〜今日は僕の為に集まってくれてありがとう〜!」
そう言いながら奥から現れたのは身長が高くスリム、そして印象的なのは片目が隠れそうになるほどのアシメヘアーの男だった。あとイケメン
こいつがおそらくシュカだろう。
「きゃー!!シュカくん〜!!」
シュカが現れたことにリスナー達は大喜びだ。
「今日はイベント最終日。良かったら最後まで楽しもうな〜。でもその前に今日は最後の日という訳で、特別ゲストに来てもらってます〜」
シュカはそう言うと後ろから誰かを招き入れる。
そう、さかきと赤瀬だ。
「この2人は僕が
そう言うとリスナーからは大きな拍手が鳴った。
まるで今から赤瀬の身に何が起こるとは思えない。
そんなことを思っているうちに周りの証明は消え、シュカだけが映し出される。
そしてシュカは1歩前へ出て一言喋る。
【さぁ、僕達の
その発現と共に何やら引き込まれるような感覚に陥る。
「なんだこれ…」
それはまるで、シュカの
「なにか…おかしい…シュカが何か喋る度に、あいつの事しか考えられなくなる……」
まるで、
その瞬間バロンの発言が脳裏に浮かんだ。
まさか……あいつは今、
その傍で俺は気づかなかった。
俺のすぐそこで黒い靄が赤瀬を狙っていたことに。
ReseT or ライフ・LIVE ぺる @mikannomi
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