第72話:男性読者の欲するものと女性読者の欲するものは根本から違う

 一般論です。


 個性的な読者は別として、サイレントマジョリティ(物言わない多数派)は男性と女性で、ある一定の傾向があります。


 それは


『男性は積極的な存在』


『女性は受け身』


 最近は「違うよ」という方も多くなっていると思いますが、それは動物行動学から考えると一般的な意見ではないようです。


 ことにWeb小説を読む一般ライトユーザーのほとんどこの傾向があると思います。


 その証拠として、よく読まれる作品の傾向にそれが表れています。


 男性の好みは

『自分が思うように行動する十全感』

 を求める。


 女性は

『自分が何もしなくても周りからちやほやされる』

 ことを好む。


 男性は『何をしても』できてしまう。

 周りから認められる。


 女性は『何もしなくても』周りから好かれる。

 溺愛される。


 どちらもリアルではなかなかない状況です。


 いかがでしょう?

 メジャーな作品の傾向として言えていないのでしょうか。


 ハーレムも逆ハーも別要素があります。

 ハーレムは主人公を好きになるすべてのヒロインが、何かをきっかけにして親近感を増していくのは同じでしょうか。

 

 性格も様々。

 チョロイン。

 ツンデレ。

 陰のあるキャラ。

 オドオド。

 ポンコツ。


 シカシこれらが一緒にいても、

 

『なぜか周りのヒロインと仲がいい』。


 ヒロイン同士の争いを仲介する労を男性読者は欲するでしょうか?


 その逆も同じ。

 うまくヘイト管理をする労は、リアルで疲れ果てている読者が忌み嫌うものと考えておくといいのでは?


 ざまぁ要素はなにか違うでしょうか?

 悪役令嬢物で追放されたのち『自分の好きなこと』をしていたら勝手にスパダリが釣れてしまう。


 男性読者も同じ?

『好きなことをしている』とヒロインが寄ってくる。

 それでざまぁ。


 あ、同じだ。

 正し、対比のポイントが違うのか?


 女性読者の場合は『素敵な伴侶』の違いと『身分の逆転』が主?


 男性読者の場合は『社会からの評価』の推移で、ざまあする。


 リアルでも女性は『マウントをとる』ことに快感を覚えることが多い。


 男性ではそれほどではないブランド製品に恋焦がれるのも、周りから善望の的となりたいツールでしょう。スパダリもブランドツールとして対比されるように見えます。


 男性は『社会的有用性』を認めさせる行動。本人は大したことではなくとも周りの人々が「すごい奴だ」と認められる。


 これらをヘイトを溜めた敵と対比させる。

 それが男性と女性のざまぁ要素の差かもしれませんね。


 ◇◇◇◇


 以前、女性の方が「情動的に★をつけやすい」と書きました。


 それを利用して冒頭から敵役にマウントをとらせて、それを逆転させることを匂わせる。早いうちにその方向性を示唆する。


 追放ものなら例えば、今までできなかった趣味を精一杯楽しんでいるとスパダリに見染められるとか。


 できることを黙々とやっていたら認めてもらえる事。

 これもリアルでなかなかない事でしょう。

 それを作品内で望む。


 翻って男性は、自分が普通にやっていることが他から「すごいことをする奴だ」と「再認識される」こと。


 社会的価値が急上昇することに快感を覚える。

 普段が「もっとしっかりやれ」「こんなこともできないのか」といわれる人が多いから。


 例を挙げる必要のないくらい、様々な作品があると思います。


 女性が好む作品も、その多くは溺愛ものです。

 もちろん違う人も多いですが。


 溺愛ものはカクヨムではあまり流行っているとは言えないでしょうけれど、なろうでは主流が溺愛ものです。


 これを踏まえて自分が『誰に読ませたいか』を意識してプロットを立てていくことが重要なのでしょう。


 ◇◇◇◇


 現在まにまにが構想している作品は、新選組を扱ったものです。


 これは女性に人気がありそうです。

 例としては『薄桜鬼 〜新選組奇譚〜』でしょうか。

 まだ見ていないのですが、あらすじは知っています。


 ゲームが原作なので、基本が乙女ゲーです。

 美形な尊いキャラに囲まれて逆ハーですね。


 誰かを標的として『一途に攻略する』のは当たり前。

 まあ男性も同じか?


 女性の意見では「ほかのキャラに浮気する主人公」は一気に興ざめするといいます。


 この描き方で、男性にも受ける作品になると思います。

 ただし難しいところはどっちにもウケようとすれば、一兎をも得ず、となりそうです。


 男性と女性の欲するものの違い。

 頭の隅に置いておいて損はないでしょう。


 ◇◇◇◇


 なろうの仕様変更から少し経ちました。

 ですが日間総合ランキング100位までの比率に変化があまり見受けられません。


 今までと同じく

 1)恋愛ものが80%

 2)短編が上位(10位まで)を占める

 3)ファンタジー以外が1~2作品(昨日はSFが1作品)


 ただ100位以下に結構ファンタジーが戻ってきたとのこと。


 これから変わるかもしれませんが、今までで相当数の作家と読者がカクヨム・アルファポリスに流れたと思います。


 これを取り返すのは容易なことではないと思います。


 少なくとも、まにまには多くの方に読んでもらえるカクヨムを主戦場として活動します。

 ユニークPVは大差ないので。


 なろうの有利さは『拾い上げ』で書籍化しやすいことだと思うのですが、書籍化にこだわっていないのでカクヨムでコンテストに出します。

 そして賞金がおいしいからww


「誰に読ませたいか」を考えてプロットを練るのが大事なのは変わりませんね。



 ではまた。

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