エイプリルフール幼馴染さん

キャラ崩壊があります

ご了承ください



 僕には幼馴染がいる。

 いつも学校の理科室で、いろんな物を創ったり実験をしたり。

 でも、最近は違う。

 失礼します。

 僕は理科室のドアを開けると。

 「やっときたー」

 奥から、小さい足音とかわいい声が聞こえた。

 「おちょいじょ」

 頬をいっぱい膨らませた、ちっちゃい幼馴染さんが出向かてくれた。 



 なぜ幼馴染さんが、こうなってしまったか簡潔に説明しよう。

 幼馴染さんいつも通り、とある薬品の実験を家でしていた。

 すると、配合を間違えてしまい、爆発。

 その、薬を吸い込んでしまいこうなってしまった。

 どうやら、体だけじゃなく思考も幼くなってしまった。

 かと言って、昔のような子かと言われれば違う。

 保育園の頃を知っている、僕から言わせてもらえば全く違っていた。


 「しょれでね。おねちゃとねおにいちゃがいっぱいね、おかちくれちぇね」

 幼馴染さんは、僕の膝の上で足をバタバタさせながら話していた。

 ちゃんと、ありがとう言えた?

 「うん。あいがちょう、ていった。えあい?」

 ところどころ、日本語が怪しいのはきっと薬のせいだろう。

 なので、ある程度予想しながら話をする。

 うん、偉いね。

 「うぅ。わたち、えあい。あちゃまなでちぇ」

 僕は幼馴染さんの頭を撫でる。

 すると、クスクスと笑う。

 「しょうしょう。きょうね、これかいちぇた」

 幼馴染さんは肩に掛けた黄色いバックから、一枚の折られた紙を取り出し見せてくれた。

 そこには、人間らしき二人が笑って手を繋いでいる絵だった。

 「こちゅち、わたちこちゅちはねいにい。じょうじゅでしょ」

 今の幼馴染さんは、僕のことをいにと呼ぶ。

 幼馴染さんは、胸を張ってしたり顔だ。

 うん、上手。

 「でちょ」

 幼馴染さんクスクスと嬉しそうに笑う。

 

 「おかちたべりゅ」

 机に置いてあった、貰ったお菓子を取った。

 今や幼馴染さんは学校の人気者だ。

 人見知りを、全くしないのもあるだろう。

 始めて、この姿で会ったときもすぐに懐いてくれた。

 それで、毎日お菓子やジュースを貰っている。

 みんな妹みたいに思っているのだろう。

 「う~~ん。あけちぇ」

 子どもに、人気なパンのキャラがついたグミを食べようとしていたが開かなかったみたいだ。

 いま食べたら、夜ご飯食べれなくなるよ。

 すると、幼馴染さんはぷくーと頬を膨らませる。

 「ちゃべるの。あけちぇ」

 ペシペシと、お菓子で攻撃してくる。

 コラ、食べ物で叩いちゃダメだよ。

 一応、叱っておく。

 食べ物で遊んじゃいけないのは常識だ。 

 だが、今の幼馴染さんには分からずうるうると目に涙をためる。

 「おこちゃ、やー」

 あーあ、ごめんね。でも、食べ物はおもちゃじゃないから。

 「おこちゃ、やー」

 ごめんね。

 僕はどうしても、泣きそうな幼馴染さんに弱い。

 僕は立ち上がり、幼馴染さんを抱っこしてあやす。

 ごめんね、怒ってないから。

 「ほんちょ?」

 ほんと、ほんと。

 すると、幼馴染さんは目を落とし。

 「ごめんちゃい。おかちでちゃちゃいてごめんちゃい」

 謝ってくれた。

 僕は、優しく幼馴染さんの頭を撫でた。

 「う~ぅ」

 幼馴染さんは、気持ちよくなったのか寝てしまった。


 その日は幼馴染さんを抱えて帰った。

 その途中、幼馴染さんが目を覚ました。

 「むー。ここどこ?」

 帰り道だよ。もうちょっとで、お家だから。

 すると、幼馴染さんはちっちゃい手で僕の服を強く掴んだ。

 「やー。もちょ、いちょにいちゃい」

 でも、ママ達が心配しちゃうよ。

 「やー。もちょ、いちょにいりゅの」

 さらに、幼馴染さんは力を強めた。

 困っていると、幼馴染さんの家が見えてきた。

 「やー。はにゃれにゃい」

 でも。

 幼馴染さん家のインターホンを押し、あやす。

 「絶対、離れない」

 すると、急に言葉が流暢になり、どんどん重くなって身長も伸びていった。

 え?

 「絶対、離れないからな」

 戻ってる!?

 だが、当の本人は気づいてない。

 ちょっと、戻ってるよ。戻ってる。

 僕は、そう言いながらは幼馴染さんを降ろす。

 「戻ってる?なんの、・・・・・ことだ・・・」

 幼馴染さんは、両手を見ると次に足元も見る。

 すると。

 「あ、ああ。何だ、やっと戻れたか。いや、君にも迷惑をかけたね。今日は帰ってゆっくり休むといい」

 幼馴染さんは、早口気味に言って背中を向けて振り返らない。

 え?大丈夫?

 幼馴染さんは、明らかに様子のおかしいので肩に手をやり顔を見ようとすると。足早に家に入った。

 「何だ、ちょっと疲れているみたいだ。もう寝る。じゃあまた明日」

 ガシャンとドアを勢いよく閉めた。

 家に入った瞬間、僕は幼馴染さんの耳が真っ赤だと気づいていた。

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