第18話 レベリング

 俺達はモンスターの素材をギルドで売った後夕飯のためにログアウトした。セイ達とやるのは楽しいがやっぱり合わせるのが苦手だと思った。

 途中セイ達のことを考えずに進みすぎて昴のHPが3割を切ってしまった。デスペナがあるから死なないで良かった、反省しないとな。



 昼ご飯も食べ終わったしやるか。セイ達はもうちょっとレベル上げしてからやろうって言ってたし午後はヨムと一緒に狩りに行くか。スキルはさっき取ったしとりあえず使えるまで育てるか。よし、いくか。


 「ヨムおいで」

 「ん?」

 「一緒に狩り行こう」

 「ん」


 尻尾をちぎれそうなぐらい振りながら走ってきた。ヨムは今までずっと狩りしてた。まぁ暇だったんだろ。頭を撫でてあげると眼を細めながら嬉しそうにしていた。

 ずっとセーブしてたから速く始めたい、うずうずして我慢できそうになかったがヨムなら着いて来れるだろうけど今疲れて何もできないのは嫌だから抑えないとな。

 さぁて楽しむか。



 「ヨム大丈夫か」

 「ん、大丈夫。まだまだ余裕」

 両手を胸の前でグゥを作ってやる気があるように見えた。俺たちはボス周回をしていた。熊の森(深き森)はLV的にもちょうどいいし何より素材が多く集まる。鑑定もあるから毒とも分けれるし必要なものだけを選んでいけるから効率がいい。

 そういえばは難易度をMAXにした。今3週目だけど結構強かった。3週目が終わったらステータスを振ってから準備をしよう。なにせ2日後に大イベントがあるからな。


 やっぱここの狩り場効率な。ドロップもそこそこいいしLVが2上がった。レッドビックベアーにたどり着くまで見つけたモンスターや魔物をすべて狩っていたら2も上がった。スキルは今のところ欲しいものはないし貯めるか。

 さて、今からレッドビックベアーに挑むが刀を使うと楽勝で戦闘経験が積めないから鎌以外の武器は使わないようにしよう。

 1週目は影魔法と氷魔法で動きを止めてヨムが周りのクマの相手をしている。流石は狼なだけあって動きが早い、しかも影魔法で足場を作って立体的に動いている。クマが腕を振り上げた時にはもう懐まで入っていて振り下げる前に首を落とす。更に影の中に入って移動もしていた。それをして全て片付けていた。

 2週目は刀を持って居合いを試した。ヨムには我慢してもらって俺が全部相手にした。

 レッドビックベアーは最初動かずに周りのクマを俺に向かわせた。クマは突進してきたので居合いの範囲に入ってきた瞬間に首を落とした。レッドビックベアーはやばいと思ったのか自分も向かってきた。血魔法で弾丸のようなものを作り打ち出した。最初と同じで有効だったので怯んだすぐに近づいた。元々血が少なくなっていたので吸血した。味はまだマシってレベルで好んで飲もうとは思えなかった。吸血しながら熱くなった。今なら倍以上のパフォーマンスができる気がした。吸血したクマの腹を裂き絶命させた。

 強く踏み出しレッドビックベアーの懐に入る前に飛んだ。ジャンプの方が正しいが二足歩行していたレッドビックベアーは2mはゆうに超えていた。下の方から切り上げ、そのまま腕を切り落とした。もう少し試したいことがあった。難易度MAXにしたらHPバーが一本増えていたがタイムアタックの容量でやったので変化がよくわからなかった。今回は赤まで削ったが生きているはずの計算だ。

 結果体長3m越え、体格は最初の2倍、HPバーの半分まで回復、赤色のオーラを纏っている。ふざけてんのかな、そう親に言いたくなった。


 俺の親は様式美にこだわる。こだわりすぎる。俺がVRゲームをやる中で親が作ったやつをたまにやるが様式美にこだわって攻略が進まないものがいくつかあった。例えばだが、魔人などの強敵は毎回復活しオーラを纏ったりドラゴンの最初の攻撃は全力ブレスから始まったりとしていた。

 今回もまたこだわっている。確かに難易度が上がるとオーラを使ってくるやつが多いがまだ第一回目のマップなのでふざけてるとしか言いようがない。


 刀を持ちなおして構えた。幻影魔法で刀を隠し、像だけが見えるようにした。あの人らのことだ絶対に攻略しずらくされてるはずだと思うと影魔法で補強し少し振動を加える。これで糸鋸のようなものができた。

 熊が咆哮し向かってきた。速い。が、それだけだ。攻撃は避けれる、問題はない。

 「ぐぅぉーー」

 そう咆哮しながら腕を横に薙ぎ払った。俺は避け2m後退した。やはり範囲攻撃だった。強く踏み込んで目の前へいき腕を振り上げた時に反対側へ移動して腕を落とす。HPバーが1/5まで減った。最後に首を落として終わった。

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