第6話 本格ダンジョン探索開始!

 これは俺と参謀と戦姫バトル・プリンセスのデビュー戦だ。


 場所は前に富羽根みんとが言っていた、まだ誰も入ってない


 撮影装備も前に富羽根みんとが言っていた店で最新のものを揃えて挑んでいた。


 どうやらこの初戦、ダンジョン界隈かいわいの人たちには“史上最高のデビュー戦”なんて呼ばれているらしい。





「・・・・・・お久しぶりです! 鳥満腹とりまんぷくです! って言っても当時見てくれてた人はあんまりいないかな? ・・・・・・じゃあ、今日から一緒にダンジョンを探索してくれる新メンバーを紹介したいと思います!」



「みなさんこんにちは! 新メンバーで鳥満腹さんの参謀のみんとっちです! 鳥満腹さんが鳥の覆面をしてるんで、参謀のあたしは大好きなクマの覆面をすることにしました! もしいつかみたいにをゲットしたらその時は素顔を公開したいと思います! よろしくお願いします!」


 顔出しには断固反対だが、このサービス精神の旺盛さからまさか中身がゴリゴリの最新ギャルだとは誰も思うまい(爆乳よりの巨乳おっぱいはエメラルドのノースリーブの上から装備した簡易な白銀のよろいで隠れている)!


 

「皆様、ご機嫌いかがかしら? わたくしは新メンバーでトリプーの婚約者のラーニャンよ! 二人が覆面をしろしろと言うので猫の覆面で参戦させてもらうわ! どうぞよろしく!」


 かなりおかしなことを言っているが、この流暢な日本語からまさか中身が本物の碧眼へきがんの美少女だとはやはり誰も思うまい(こちらの爆乳よりの巨乳も白に深紅しんく刺繍ししゅうが施されたブラウスの上から装備した簡易な金の鎧で隠れている)!

 


「えーっと、そういうわけで、鳥満腹チャンネルに新たに2人の新メンバーが加入しました! なのでチャンネル名も『鳥満腹チャンネル』から『鳥みんラーチャンネル』に変更したいと思います! 絶品鳥ミンチラーメンくらいリピートしてもらえるチャンネルにしたいと思っています! これからもどうぞよろしくお願い致します! ・・・・・・・・・・じゃあ、早速、3人でダンジョン初探索していきますね!」



 コメント欄を見るとすでに同接は5520人。


 5520人っ!?


 マジかっ?




 目の前を高速で流れていくコメントの中には懐かしい名前も交じっていた。

 



 ノボルさん “待ってたぞ! アグレッシブヒューマンボーイ! ・・・・・・みんとっちも? マジかよ! それに婚約者だと! どれだけネタ仕込んでくんだよ、トリちゃんw”


 湯冷め “トリちゃんがんば。みんとっちも。それから婚約者さんも。”


 ニッキー “トリさんお気をつけて。みんとっちと婚約者さんも。カメラ変えました? なんか映像きれいになってますね!”


 たーやん “トリちゃん! 復活レアドロップゲット! ってか鳥みんラーチャンネルってめちゃくちゃ旨そうな名前w”


 ふふふのふ “トリちゃん! そろそろ金の宝箱見たいっす”

 



 そんな懐かしすぎるコメントを見て俺はもう泣きそうになっていた。


 でも、探索前に絶対に訂正しなければならないことがあったので、実際のところ泣いている場合ではなかった。


「婚約者っていうのは彼女一流のジョークですので、軽く聞き流してください!」


 そう俺が言うと、


「トリプー照れてるのね? かわいい!」


 と、ララン・フロミネンが言い、


「照れてなんかねえよ! 趣味の悪いジョークはもうやめてくれ!」

  

 と、俺が言い返すと、


「鳥満腹さん! 早速、魔物が出てきましたよ!」


 と、富羽根みんとが言ったのである。


 それで、


「ええっ?」


 と、俺が驚いていると、


わたくしに任せて!」


 と言って、ララン・フロミネンが左肩から自分の背丈ほどもある剣を抜いたのだった。

 



 ノボルさん “婚約者さん! かっけー!”


 湯冷め “婚約者さんがんば!”


 ニッキー “婚約者さん、お気をつけて!”


 たーやん “婚約者さん、剣デカすぎw”


 ふふふのふ “婚約者さん、グレートソード使いなんすね! ”

 



 魔物は全長2メートルはありそうなどぎついピンク色のカメレオンとライオンを足して2で割ったのような姿をした魔物だった。  

 

 俺にとっては全くの初見の魔物だったが、富羽根みんとはすぐにグレートソードを構えるララン・フロミネンに向かってにこう言った。


「ラーニャンさん、それはつい数週間前に世界で初めて発見された最新の魔物、ショッキングカメーレオですよ! クラスはC級で、弱点は・・・・・・」 


 すると、ララン・フロミネンはこう言ったのだ。


「弱点なんか知りたくないわ! このつるぎで真っ二つにするまでよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る