第5話 うっかり逆鱗に触れてしまう!
俺たちは
「ラランさん! お蕎麦を
と、富羽根みんとが大きな声を出すと、ララン・フロミネンはこう言った。
「
「だった?」
と俺が思わず繰り返してしまうと、ラランはすぐにこう説明した。
「ああ、母は
「へー! やっぱりラランさんっていい人なんですね!」
「いい人? そんなわけないでしょう? 人をつまらない人間みたいに言わないで!
それを照れ隠しで言っているのか本気で言っているのかはまだ付き合いの浅い俺にはよくわからなかった。
ただとてもデリケートな話題だということは俺も、そしてたぶん富羽根みんとも理解していたので、それ以上無理にその話を続けようとはしなかった。
だから話題を転換するために俺はいきなり何の脈略もなくこんなことを言い出したのだ。
「・・・・・・フロミネン教授は何で世界にダンジョンが出現するよりずっと前にダンジョンの存在を予見することができたんだろうな? もしかして君の親父さんは何か特殊な能力でも持ってるんじゃねえの?」
「まあ、トリプーともあろう人が随分軽率な発言をするのね! それは父に対する侮辱よ! 父には伝えないであげるけど、今後はお気を付けなさいね! 父のダンジョン理論は父の天才的頭脳によって論理的に形作られたものなのよ! そこに特殊能力なんて少しも関係してないわ! 第一特殊な能力を持つ人間が現れたのはこの世界にダンジョンが出現した後でしょう? 今でこそ生まれつき特殊な能力を持っていない者でもダンジョン職業に就くことで特殊な能力を後天的に得ることができるようになったけれど、以前は特殊能力者なんてフェイクばかりで本物なんて一人もいなかったんだからね! おわかり?」
どうやら俺は
もしかしてファザコン?
と一瞬思ったが、これ以上彼女の逆鱗に触れたくなかったので口に出したりはしなかった。
富羽根みんとも特に何も言わなかったので、沈黙の時間が続いた。
だが、もちろん女子が2人もいてそんなのがいつまでも続くわけもなく、ご機嫌ななめのはずのララン・フロミネンが真っ先に口を開いた。
「・・・・・・実はね、
そう言い終わると彼女は意味ありげに白地に金の
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