第3話 碧眼の第2ヒロインの噂話!

 学長室の扉の前に着くと、すぐにこんな声が聞こえてきた。


「ノー◯ル ダンジョン賞受賞者のロンカート・フロミネン教授がうちの大学に来てくれる? 本当かね? それは? ・・・・・・条件? なんでも飲む! 年俸はいくらでも払うと言ってくれ! ・・・・・・えっ? 条件はただひとつ? 鳥満腹とりまんぷくというダンジョン配信者のレジェンドボーイに会わせてほしい? ・・・・・・それは、それだけは無理だ! 伝説の一戦のかれだろう? かれのことは娘に頼まれてもう何年も部下たちに探させているが、見つからないんだ! 元々かれは覆面ダンチューバーだったからな。頼りは声だけだ。でも余程のファンじゃないと声を少し聞いただけではとても判別できないだろう。まさか日本中の18、9の少年の声を聞き回るわけにもいかないし・・・・・・他の日本人ダンチューバーなら誰でもすぐに会わせることができると言ってくれ! ・・・・・・鳥満腹という少年じゃなければ駄目? なんでだ? えっ? 娘さんの命の恩人で一度会ってお礼が言いたい? ・・・・・・なるほどそういうことか。 ・・・・・・しかし、困ったな」


 俺と富羽根とみはねみんとは学長室の扉の前で目を見開いて顔を見合わせていた。


 そして次の瞬間、富羽根みんとがいきなりその扉を勢い良く開け放つとこう言ったのだ。


「パパ! 鳥満腹さんならここにいるよ! みんと大ファンだから声を聞いただけですぐにわかっちゃった!」


 俺は驚いてすぐにこう言った。


「俺、声なんて出してなかったけど・・・・・・」


「独り言が漏れちゃってましたよ! 配信でもたまにそういうことがあったからすぐにわかりました!」


「へっ?」


 と俺は思わず情けない声を出してしまう。


 それで俺が一体どの独り言が漏れてしまっていたのかと頭を抱えて考えていると、この大学の学長であるらしい富羽根みんとの父親がここでやっと口を開いた。


「君が噂の鳥満腹少年か! みんと、でかした! 大手柄だぞ!」


 そして、彼は再びスマホで部下らしき人に電話をし始めた。


「・・・・・・ロンカート・フロミネン教授に鳥満腹少年と会えるとすぐに伝えてくれ! ・・・・・・どうだった? えっ? すぐに来日してくれる? 娘さんと一緒に? 大歓迎だと伝えてくれ! ・・・・・・では、後はよろしく頼むぞ!」


 そう言って電話を切ると、この大学の学長であるらしい富羽根みんとの父親は俺たちに向かってこう言ったのだ。


「・・・・・・ところで君たちはどこで出会ったのかね?」


 すると、富羽根みんとがすぐにこう答えた。


「どこってこの大学だよ! 鳥満腹さんは、みんとと同じこの大学に新設されたダンジョン学部の新入生だったの!」


「なんと! ああ、鳥満腹くん! 君が入ってくれただけでこの大学にダンジョン学部を作って大正解だったよ! もうすでに君はこの大学に大きな貢献をしてくれたから栄誉学生として学費は無料にさせてもらうよ!」


 予想外の話の展開だったので俺は慌ててこう返した。


「そんな! 悪いっすよ、無料なんて!」


「いや、そんなことでは返すことができないくらい君は今日この学校に貢献してくれたんだよ!」


「はぁ・・・・・・」


「まあ、学費無料の件はまた後でゆっくり話そう!」


 そう俺に言った後の、ここからの富羽根親子のやり取りがさらに予想外なものだった。


「・・・・・・ああ、それより、みんと!」


「なぁに? パパ?」


「そんなふうに鳥満腹くんを独占できるのも今だけかもしれないぞ!」


「・・・・・・どういうこと?」


「ロンカート・フロミネン教授の娘さんは銀髪 碧眼へきがんの超がつくほどの美少女で頭脳明晰ずのうめいせき、さらにはアメリカ屈指の若手ダンジョン配信者で、なんでも戦姫バトル・プリンセスと呼ばれているらしい! そして今回は命の恩人である鳥満腹くんと結婚の約束をするために来日するそうだ!」


「えーっ!」



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第3話も最後まで読んでいただきありがとうございます!


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