第2話 引きこもり

汚れた部屋に1人。少年が寝ていた。

うっすらと目を開け、天井を覗き記憶を辿る


数ヶ月前

少年は『凛世魔法高校』りんせいまほうこうこうに入学した。

数々の名門校のひとつでもあった凛世に推薦されたのだ。

クラスは1-3。ごく普通のクラス。のはずだった。少なくとも少年はそう思っていた。


「おい。あかね

茜血架あかねちか』それが少年の名前だった。血架が名前を呼ばれた方を振り返ると妙に笑う少年がいた。

「お前さ、血液操れんの?」

突然そう聞いてきた少年に血架は少し戸惑う。


『魔法』今ではほとんどの人間が使える能力。SFの世界でヒーローたちが使うような能力が現実でも使えるようになった。だが、魔法と言っても1人には1つのことしかできない。例えば、物を浮かせたりするのならそれ以外の能力は扱えない。

その中で血架の能力は『操血』だ。血液ならばなんでも操れる。

その能力が血架を苦しめた。

「そうだけど?」

質問してきた少年に応える。

「あいつ。」

少年がニヤリと笑って教室の角を指差した。

正式には教室の角の席で本を読んでいた小太りの少年を。

そしてドスの効いた声で続けた。

「殺せ。」

「は?」

血架は驚いた。いきなりクラスメイトを殺せと言ってくる神経の方がおかしい。

「殺せねぇの?」

「なんで、、、俺が?」

血架の手は震えていた。


その一連から血架は嫌がらせを受けるようになった。下駄箱にカエルの死骸をいれられたり、机をうさぎの血液塗れにされたりした。

いじめを受ける血架を見て皆が笑っていた。誰一人助けようとしなかった。

そしてとうとう血架は学校に行かなくなった。自分の部屋に引きこもり寝たきり、外に出るどころか動こうともしない。


__ピーンポーン

そんな血架のもとに誰かがやってきた。



_________________________

読んでいただきありがとうございます!

またもや89《ばぐ》あーる。です。

主人公の名前が出ました!うぉーパチパチ

血架です!覚えて、皆さん。茜血架ですよ!

では、3話もよろしくお願いします!

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