第14話 ギルドの騒ぎ

 冒険者ギルドに戻るとザワザワしていた。見慣れた受付嬢のナンシーさんに聞いてみる。


「異常事態が起きてるみたいです。アルフレッドさんも気をつけてくださいね。報告はありますか?」

「そうなんですね。あ、魔石の買取お願いします」

 狩った魔石を全て出した。

「今日は随分と多いですね」

「あはは、頑張っちゃいました!」


「確認しますのでお待ち下さいね。あ‥‥‥おめでとうございます! Eランクに昇格しました。明日からも頑張ってくださいね」

「おっ! やったぁ!!」


 本来なら今日は魔法の練習だけのはずだったのにな。でも結構な数のモンスターを狩ったから今日は良い収入になった。ちょっと美味いものでも食べようっと! 


「こちらEランクのカードになります。あとこちらが本日の報酬になります」


 おぉ、結構入ってるぞ。

 あ、お金持って浮かれてると悪い人たちに絡まれちゃうからな。【隠密】で目立たないようにしとこう。


『絡まれたら逆にそいつから巻き上げてやればよかろうが?』

 俺はそんな逆カツアゲみたいな事しないんだよ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「あ、おかえりなさい、【ビーストキラーズ】さん。討伐はどうでした?」

「あぁ、やはり異常事態なのかも知れない。草原にも森にもほとんどモンスターが居なかった」


「あら? じゃあ討伐依頼は失敗ですか?」

「その代わりこんなものを拾った」


 ドォン!!

 取り出した魔石は冒険者ギルドでも滅多に見かけない大きさの魔石だった。


「!? ど、ど、どうしたんですか、コレ‥‥‥!?」

 受付嬢が驚きを隠す事もなく聞いた。


「ジャイアントオーガの魔石だ。俺たちの目の前で倒された。でもその青年は何も取らずに走って消え去ったんだ」

「私たちじゃとても倒せないもんね」

「そうそう」


 報告に虚偽があった場合は程度により罰があるため嘘をつく冒険者はほぼ皆無だ。ギルドには虚偽を見破る仕組みがあるからだ。


「虚偽報告‥‥‥ではなさそうですね。遺失物として受理しますね。期間内にその方が名乗り出ない場合は【ビーストキラーズ】さんの獲得品となります。少々お待ちください」


 受付嬢が奥に行ったと思ったら代わりにギルド長が出てきた。


「あの森にジャイアントオーガが現れたというのも気になるところだが。お前たち、その青年についてもう少し詳しく聞かせてもらおうか?」

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