第12話 魔法の練習

 翌日の早朝、モンスターの討伐依頼を受けつつ魔法の練習を始めた。いざという時に使えないと意味ないからな。


『まずは【ファイアボール】からじゃ。肚の下の丹田に力を込めて‥‥‥』

 言われるままにやってみる。なんか身体が熱くなってきたぞ。


『火の球が手の平の上に浮かぶようにイメージ‥‥‥』

 ‥‥‥出た。


『目標に向けて飛ばせ!!』

 あの岩でいいや。えいっ!!


ヒュッ!! ドカーーーン!!!!


 20メートルくらい先の岩が爆発してこっちまで細かい破片が飛んできた。


「‥‥‥出来た。俺って天才?」

『我は【大魔導師】でもあったからの。そのお陰で上手く出来たようじゃの』

 なんだ、やっぱりそれか‥‥‥。


 その後水属性、風属性、土属性、光属性、闇属性と六属性全ての初期魔法が使える事が確認出来た。


『よし、午後からは実戦じゃ!』


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【忍者】の特性【隠密&高速移動】のお陰でモンスターに見つからず素早く倒せる。


 アイスアロー!

 ウィンドカッター!!

 ストーンバレット!!!

 シャインレーザー!!!!

 シャドウボルト!!!!!

 見つけたモンスターをとりあえず魔法だけで倒していく。いや、サクサク倒せて楽しい。この辺のモンスターは魔法に弱いらしいな。


 初期魔法なので魔力の消費が少ない。さらに基礎レベルが上がったらHP もMPも回復するみたいなので魔力切れになる心配もあまりないな。


『ふむ、もう少し大物いってみようかの?』

 うん、完全に同意。レベルの上がりも悪くなってきたしね。


 

 という事で草原から森へ移動。

 もうちょい強いモンスターいるかな?


 いたいた。ゴブリンも黒いし(でも瞬殺)オークも大きめだ。(でも瞬殺)


 日の方が暮れて来たな。

 あと一匹だけ狩って帰るか。


【探索者】の特性【気配察知】でどの辺にモンスターがいるかわかる。ホント便利だな。

 ちなみに敵意のある人間とかもわかるみたい。


 うーん、あ、割と近くにいるな。

 よし、ダッシュ。


 いたのはオーガだ。なんか大きい気がするけどまぁ良いだろ。上手い事背後を取れた。


「ガァァァァァァァ!!!!!!」


 なんか叫んでるよ。まぁいいや、サヨナラ。

 ファイアボール!!!!


 ドッカーーーーーーン!!!!


 無事命中。【狩人】の特性【命中率上昇】は魔法にも適用されるみたいだね。

 

 木っ端微塵になったからもちろん倒せただろう。


 オーガがキラキラと消滅していく先に複数の人影が‥‥‥?


 あっ!? やばい!! 

 獲物横取りしたみたいになっちゃった?


「ご、ごめんなさーーーーい!!!!」

 ダッシュで逃げた。


 ホントすみません。

 魔石とかドロップアイテムとかは差し上げますので許して‥‥‥。

 経験値は俺に入っちゃうけど、その場に居なければ戦利品はそこにいた人、見つけた人のものになるはず‥‥‥だから。

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