第10話 休息
「あぁ‥‥‥疲れたー!!」
ギルドに紹介してもらった宿を取って部屋に入ってベッドに横になる。丸一日以上横にもなれなかったから疲れたよ。
『まぁそれもそうじゃの。少しゆっくり休むがよい』
でも明日からの事も考えなきゃな。
必要な物もいろいろ買わなきゃ‥‥‥。
あぁ、そうだ。剣も折れちゃったんだった。新しいのを買わなきゃ‥‥‥
『買う? 剣ならお主が打てばよかろう?』
いやいや、ルナさん。何言ってんのさ。
俺に打てる訳が‥‥‥?
えっ?
『【鍛冶師】もマスターしとるよ。鉱石もまだあったはずじゃが‥‥‥』
ガバッと起きてステータスを確認する。
‥‥‥あった。【鍛冶師】の特性は【武器の知識】か。こんなジョブもマスターしてたのか‥‥‥。
『それじゃ特技の方も開放しておこうかの』
ピリッと頭に刺激が入った後、特技が増えていた。
【鍛造】か。魔法袋の方も確認するといろいろ入ってる。鋼とミスリルが入っていた。
『今のお主のステータスならミスリル製の武器くらいなら作れるじゃろ。鍛冶場を貸してもらうとよかろう』
ルナさん、アンタすごいっすね‥‥‥。
『フハハ、もっと敬うがよいぞ』
はいはい、少し残念なのが玉に瑕ってやつだな。
『やかましいわっ!!』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日、宿の朝食を食べた後鍛冶場を探していた。
とりあえず一軒め。大きい武器屋だ。
「いらっしゃい、レオナルド武器工房へようこそ。何かお探しで?」
「あのー、鍛冶場をお借りしたいんですけど」
「はぁ? アンタ舐めてんのか? 帰れ!!」
‥‥‥即追い出された。
『武器屋に入って鍛冶場を貸せっていきなり言ったらそうなるじゃろが。「お前のとこの武器は要らない」って言ってるようなモンじゃぞ』
あー、言われてみればそうか。
じゃあどうしたら良いかな?
『「旅の鍛冶師見習いで鍛冶場をお借りしたい」とでも言え。あと鍛冶師ギルドにも登録しておいた方が良いじゃろな』
えぇっ!? 登録料取られちゃうじゃん!
『鍛冶師ギルドは良心的じゃぞ。作れる技術があるのなら登録料を支払っても同じ質の武器を買うより長い目で見れば安上がりじゃ』
ふむ‥‥‥、そういうものか。
じゃあ、そうするか‥‥‥。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
鍛冶師ギルドに見習いという事で登録した。見習いという事でジョブの確認はされなかった。
これでとりあえず鍛冶場の使用許可は下りるはず。でもさっきのところはやめとこう。
職人街を歩いているとパッとしない武器屋があった。ルナが勧めるので入ってみた。
「‥‥‥らっしゃい。今うちじゃ碌な武器売れないよ」
「修行の旅をしている鍛冶師見習いなのですが鍛冶場をお借り出来ますか?」
「銀貨一枚だ。鍛冶師ギルドには入ってるんだろ。綺麗に使ってくれれば構わんさ」
銀貨一枚支払う。店はパッとしないけど鍛冶場自体は綺麗だ。
鋼とミスリルを取り出して早速作っていく。特性【武器の知識】と特技【鍛造】で迷いなく作っていける。
「!? おい、見習いさんよ、それってもしかしてミスリルじゃねーか?」
「そうだよ」
「お前‥‥‥見習いじゃねぇな? まぁいいや。見させてもらってもらうぞ?」
「あぁ、どうぞ」
鋼とミスリルを合わせるのに重ねて折り返す鍛造法でやってみた。ルナがちょうど良い感じに教えてくれるので問題なく工程が進む。
「砥石も借りるぞ」
「ここまで来たらもちろんだ。最後まで仕上げてくれ」
目がキラキラしてるな。やはり職人としての血が騒ぐのだろうか?
出来た。変わった形だ。東国の「カタナ」と言われる剣らしい。ルナはコレが良いらしい。ルナの指示通りに作ったからな。
「素晴らしいな‥‥‥、可能であれば試し切りまで見せてくれないか?」
「あぁ、良いけど‥‥‥」
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