第9話 ギルドへ帰還
「ただいま」
「!! おかえりなさい!! アルフレッドさん」
ギルドに無事戻ってこられた。良かった。
「よう、オオバカトリ! 約束通り魔石五種回収して来たんだろうな?」
こいつもいたのか。まぁ丁度良いか。
「あぁ。これでいいだろ?」
ゴロっと魔石をカウンターに転がす。四つ。
「‥‥‥一つ足りねえじゃねぇか。数も数えられないのか?」
「慌てるな、あと一つはこれだ」
ドンっ!!
最後の一つは『レッドウルフ』の魔石だ。
明らかに大きさが違うからな、音も違うわな。
「「‥‥‥は?」」
受付嬢となんとかって冒険者のやつの声が揃った。
「ん? どうしたんだ?」
もしかして間違えた?
この魔石じゃダメだったとか?
うわっ、恥ずかしい‥‥‥。
「この魔石はCランク相当のモンスターの魔石ですよ‥‥‥? あのダンジョンに‥‥‥?」
「いや、オオバカトリがこんな大きさの魔石のモンスターを倒せるはずがない!! どこかで仕入れて来たに違いない!!」
「いや、ちゃんと倒して手に入れたぞ?」
「嘘つけぇ!! 倒せる訳がないだろ!?」
失礼だな‥‥‥ちゃんと倒したのに。
『こんな奴、ぶっ飛ばしてしまえばよかろう?』
いや、さすがにそれはまずいでしょ。
解決法が荒っぽいな。
『そりゃあ冒険者じゃからな!』
うん、まぁそうか。納得したわ。
「やかましい!!!! 一体何の騒ぎだ!?」
突然の大声に周囲が静まり返る。
受付のさらに奥に細身の男性が立っていた。
「ナンシー、説明しろ」
「ギルド長!! 実は‥‥‥(かくかくしかじか)」
受付嬢がギルド長と呼ばれた男に逐一説明していく。
「ギルド長! あいつ絶対おかしいから調べてみろよ」
なんとかって奴がギルド長に話しかける。
「‥‥‥ビリー。お前は人の事構ってる場合じゃないだろうが? 新人にいちゃもんばかり付けてないでちゃんと仕事をしてこい!!」
「は‥‥‥、はい‥‥‥」
バツが悪そうに駆け足で逃げていった。
「そんな事よりも初心者ダンジョンにレッドウルフが出たという異常事態の方が重要だ。早急に調査を行う。お前ら、馬鹿騒ぎしてないでとっとと動け!!」
「「「はいっ!!」」」
おぉ、すごい。テキパキと指示を出して冒険者たちがそれぞれ動いている。
『やるのう。そしてなかなかの手練じゃの』
お、やっぱりギルド長ともなると強いんだな。
「アルフレッドさん、すみませんでした。先程の魔石は全て買取させていただきますね」
受付嬢のナンシーさんが話しかけてきた。
「よろしくお願いします」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
結局腕利きのパーティー三組が調査に入る事になったようだ。
ギルド長がこっちにツカツカと歩いてくる。
「で、キミだ。確か名前はアルフレッドだったな? 確かにキミのレベルでレッドウルフを倒せるのはたしかにおかしい。今日は忙しいから後日調べさせてもらう。呼び出すからちゃんと来いよ?」
ええー、ギルド長からの呼び出し宣告‥‥‥。
「もちろんちゃんと来いよ。来なかったら‥‥‥知らないぞ?」
えっ!! 怖っ‥‥‥!!
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