第7話 特性移行完了

『ふふん! これこそが我の得た全てのジョブ特性じゃ!』

 こんなにたくさんマスターしたのか。そりゃ失うのも勿体無いって思うよな。


『ステータスの加算の方などもっと複雑なんじゃがの‥‥‥見てみるかの?』

 いや、いいです!! やめてください!!


『しかし‥‥‥お主の初期ステータスはホントに貧弱じゃの‥‥‥』

 うるせぇ! 誰がクソ雑魚ナメクジか!!


『‥‥‥‥‥‥』

 いや、なんか言えよ!!!!


『ふむ、だが問題ないぞ。すぐに巻き返せるからの』

 ホントかよ? 

 でもこのジョブ特性の一覧を見てるだけで強くなった気がするけどさ。


『それは気のせいじゃの』

 うるせーよ!!


『さて、ではここを出るかの? そうそう、そうじゃった。アルよ、そこの袋を持って行け。役に立つぞ!!』

 この袋のことか? 

 なんか薄汚れた袋だな。


『それは【魔法袋】じゃ。見た目より遥かに物が入るからの』

 ぶぶーっ!! 噴き出してしまった。


「めちゃくちゃ貴重な魔法アイテムじゃないか!?」

『我が作った中でも最高品質のものじゃよ。【学者】のアイテム知識、【賢者】の古代時空間魔法で作った最高の魔法袋じゃ』

 うーむ、そうなのか。

 まあ、ありがたく頂こう。


『大切に使うのじゃぞ。中身も確認しておくのじゃ』

 どれどれ‥‥‥。

 えーっと、まず金貨、多いな。百枚はあるんじゃないか?  

 しばらく仕事しなくても大丈夫だな。


『ちゃんと働け』

 わかってるよ、冗談だよ。


 あとはいろんな薬草? 

 他は素材の類か? 

 えーっとあとは‥‥‥おっ、カッコいい盾が入っていた。取り出してみてみよう。


『おー、それは【聖騎士の盾】じゃな。我が聖騎士だった時のものじゃ。懐かしいのう』

 装備してみてもいいのか?


『どうせ今の我は思念体みたいなものじゃ。使うも売るも捨てるもお主の好きにせい。いや、どうせなら‥‥‥そうじゃな、【聖騎士】の特技を移行しておくかの』

 ビリッと頭に痛みが走ったが一瞬だった。

 先程の痛み程では無かった。


『聖騎士の特技【パラディンガード】じゃ。盾を使って物理攻撃を防ぐ守護職ならではの特技じゃな』

 ほえー、強いな。でも守るだけじゃ倒せない。攻撃してくれるパーティーメンバーがいないと機能しないじゃん。


『まぁそこは使いようじゃ。さて‥‥‥と、じゃあ行こうかの?』

 え? どっか行くの?


『ここにいただけじゃ何も成長せんじゃろが』

 そうでした‥‥‥、冒険者ギルドの勝負の途中でした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る