第2話

「今回の目標は、バイロンの第3降下基地だ。ここさえ叩けば日本海への侵略を阻止できる。お前ら!気合い入れていけよ!!」

「「はい!」」

ベルリの声に部隊の10名は声を揃えた。

次の瞬間モニターの端が光り、1テンポ遅れてビームが飛んできた。飛んできたビームは5番機の胸部を貫き、やがて蒸発した。

「カ……カイトぉぉぉぉ。」

通信から同期の悲痛な叫びが聞こえてきた。

「来たな…」

呟きながらケイジはライフルを構える。

刹那、目の前の林からバイロン軍の人型機動兵器、ポルタノヴァが飛び出してきた。

「くっ………」

ライフルとバルカンを乱射しながら迎え撃つ。やがて斧を構えていたポルタノヴァが蜂の巣になり爆発した。

ケイジが息を切らしいると通信が入った。

「草薙少尉、よくやった!」

「セブンスターク隊長…」

「次が来るぞ備えろ!」

彼の言うとおり直ぐに第2陣が部隊に襲いかかった。

「こんなところで…、死んでたまるかぁぁぁぁぁ!」

ケイジは叫びながら空いた左手でビームサーベルを抜刀しポルタノヴァ3機の小隊に突っ込んだ。正面にいた角付きの指揮官機の頭部を切り裂き、勢いのまま反転して後ろに控えていた2番機のコックピットをショルダーキャノンで撃ち抜く。斜め後ろからビーム刃を展開した斧で襲いかかってきた3番機の攻撃をひらりとかわし、すれ違いざまに腹部を一刀両断した。

「な…なんだ貴様ァ…!」

公開通信で指揮官機のパイロットが叫びながらビームアックスを振り上げ向かってきた。

「はっ…冥土の土産に覚えておけ!俺様は第3小隊のケイジ 草薙少尉だぁ!」

怒声とともにケイジは敵の一撃をかわし、逆手に持ち替えたビームサーベルで胸部を突き刺した。

指揮官機の誘爆を確認したあと即座に機体を反転させ、味方の援護に向かった。


「どうやらあちらさんも新兵だらけらしい。人材不足はお互い様だな。」

呟きながらベルリは3機目のポルタノヴァを撃墜し、キースと合流した。

「しかしよくやりますね、あの2人。」

「ああ、京都校のケイジ 草薙とアレク マックール。下手したら俺たちより撃墜数多いんじゃないですか?」

「はっ、エースパイロットの座奪われちまうかもなぁクロムト中尉♡」

「余計なお世話です。あとその言い方キモいんでやめてください。」

苦笑しながら2人は前から迫る新たな小隊をむかえ打った。


「ケイジ後ろだ!」

アレクの声に慌ててケイジが振り返るとそこにはまさに飛び掛からんとしているポルタノヴァ空中戦仕様がいた。

「くっ、」

ケイジがスラスターをフル回転させて全力で回避したと同時にポルタノヴァの頭上からアレクがビームサーベルを突き立てた。

「あっぶね~。助かったぜアレク」

「ちゃんと背後も確認しろ、死ぬぞ!」

苦笑しながらケイジは声を出した。

「その為に、お前が着いてきてくれるんだろ。」

「まったく…これだからお前は…」

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