最終話 新たな目標に向かって
リナのバリオスがエンジンブローしてから数週間が経ち、気持ち的にも落ち着いてきたリナはバイク部の部長として今後の目標について部員達と話し合っていた。
椿ラインのレースの反省会はもちろんのこと、バイクを失ってしまったリナとフランは新たな相棒となるバイクを舞華がそのうち用意してくれることになったのでそちらの心配は大丈夫そうだ。
1年生コンビの結と心珠は、結が東京の自動車学校に普通二輪で入校したので明日からいよいよ初教習が始まるそうだ。
誕生日が4月1日で早生まれの心珠は免許を取得できるのが来年となってしまうので、とりあえず心珠にはしばらくの間はバイクに乗ることはできない。
次の目標は、秋に茨城の筑波山近辺で行われる昔から伝統になってる公道タイムアタックの参戦だが、これは運営側の審査に通過した者しか出場することができない極めてハイレベルなプロ級が集うタイムアタックだ。
そしてこのタイムアタックのレコードは10年近く塗り変えられておらず、当時レコードを叩き出したのが「轟 萌歌」という女性ライダー。
そう、つまり現役最後のタイムアタックで東雲先生が独身時代に叩き出したレコードなのだ。
それに次ぐタイムがコンマ数秒差の舞華が出したタイムで、伝説の走り屋コンビがツートップのレコードというわけだ。
今の目標は東雲先生と舞華が当時叩き出したレコードを塗り変えるということだが、リナとフランの現状の技術では塗り変えるのは到底無理だろう。
リナとフランの今の課題は、バイクを再び手に入れたら東雲先生の用意してくれた練習内容を徹底的に行なうこと。
結は、早く普通二輪免許を取得すること。
心珠は誕生日を迎えるまでどうすることもできないので、他の部員達のサポートに回る。
これからいろんな苦難や辛いことが待っているだろう。
それでもこの4人ならきっと乗り越えていける。
だって、私の教え子なんだから…と東雲先生は弟子達を信じていた。
リナ達の挑戦はまだまだこれからだ。
【⚔時代錯誤⚔ 完】
⚔時代錯誤⚔ 天王寺 楓乃 @hirokachan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます