第64話 都会の利便性
舞華の自転車屋を出たリナとフランは、用賀駅の方向に向かって歩き出した。
駅周辺にはスーパーやコンビニなどの日用品を買い出しできるお店が密集していて地方の静岡では考えられない程の利便性の良さだ。
少し歩けば住宅街に紛れてお洒落なカフェや喫茶店があったり、車やバイクがなくとも自転車さえあれば生活に困ることはない。
コンビニで買うよりスーパーの方が安いと思ったリナ達は、地元の静岡で馴染みのない店名のスーパーに入ると飲み物やお菓子を買うつもりが東京限定の物珍しい物をついつい手に取ってしまい、思っていたより買い物に時間がかかってしまう。
フランが買い物をしていて気になったのは、50歳以降のアラフィフ世代の雰囲気が非常に若々しくスーパーで買い物してるほとんどの人がそれなりに身なりに気を使っており地元の静岡のアラフィフ世代とは、全然違うと思った。
中には、後ろ姿が20〜30代の女性にしか見えない人もいて金銭面に余裕がありそうな人だったので自分磨きに投資しているのだろう。
買い物をしているとフランのスマホにLINEの通知が鳴ったので確認すると、舞華から「おビ〜ルちゃん買ってきて〜♡発泡酒NG」と添えてLINEが入ってたのでフランは某有名ブランドの辛口ドライのビールの500の6缶パックを買い物カゴに入れた。
ビールをカゴに入れてるフランを見ながらリナがこう言った。
「ねぇ?ビールって美味しいのかな?」
「さぁ?…苦いと聞いたことはあるけど、20歳になってからのお楽しみでいいんじゃない?(笑)」
ビールは好みが非常に別れる酒だが、大体の大人が飲むイメージが定着しているので居酒屋でも定番メニューとして絶対にある。
居酒屋に入ったら「とりあえず生ひとつ」と注文をするのは、今も昔も変わらない。
リナとフランは、会計を交通系ICで済ませるとエコバッグに買った商品を入れた。
お店から出ようとしたタイミングで今度はリナのスマホに舞華からLINEが入った。
確認すると舞華からこうメッセージが入っていた。
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